今回は、10〜20年後に表面化するであろうマンションの問題について説明します。※本連載は、須藤桂一氏の書籍『忍び寄るブラックマンション危機とその回避法』(保険毎日新聞社)の中から一部を抜粋し、マンション管理に様々な問題を抱える、いわゆる「ブラックマンション」の概要と、ブラック化の回避方法を見ていきます。

マンションは「終の棲家」に最適だが・・・

今後は都心や大都市の中心地と郊外とで、土地の価格差がどんどん広がっていくと考えられます。いい換えれば、首都圏や大都市圏などの都市部で、特にその中心地域においては、マンションの中古需要は底堅くあるといえます。

 

場所によって、マンションの需給バランスは決まってくると思いますが、筆者はたとえば中心地域にある古い木造住宅よりも、マンションのほうがはるかに需要があると思っています。

 

マンションの一番の特性は「鉄筋コンクリート構造」というところにあります。木造が主流の戸建て住宅に比べても、耐震性能、防犯性能、防火性能、断熱・遮熱性能など、マンションはあらゆる面で「終の棲家」に適していると思うのです。

 

もちろん戸建て住宅には戸建て住宅のよさがありますが、マンションにはその特性に応じた価値があるといえるでしょう。

10〜20年後には価格破壊、スラム化などの懸念も

とはいっても、今後の10年、20年を考えた場合、前回までの連載で説明したとおり、余剰住宅が増えていくなかで、マンションにも空き家が出てくることは確かです。空き家が出てくると、どんな問題があるでしょうか。

 

●中古市場の需給バランスが崩れて価格破壊が起こる。

●管理費・修繕積立金の滞納者問題。

●管理組合の理事のなり手不足。

●区分所有者の高齢化、修繕積立金の「破綻」。

●マンションのスラム化。

 

など、現在でも見られるさまざまな問題がさらに顕著になってくるでしょう。

 

現時点ではあまり目立ってはいませんが、そう遠くない将来、「ブラックマンション」のリスクをはらむこうした問題が、首都圏や大都市圏のマンションにも起こってくるということを覚悟しておかなければなりません。

 

 

イラスト=田中マコト 

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    本連載は、2015年4月21日刊行の書籍『忍び寄るブラックマンション危機とその回避法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    忍び寄るブラックマンション 危機とその回避法

    忍び寄るブラックマンション 危機とその回避法

    須藤 桂一

    保険毎日新聞社

    金融破綻、年金破綻、そしてマンション破綻、著者はこの3つを「日本の三大破綻」と位置付けている。高すぎる管理費が修繕積立金を圧迫するなか、人口が減少していくニッポンで地方のマンションは資産価値を保ち続けることがで…

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