食料品や新聞などの税率を低くする「軽減税率」
消費税率を10%に引き上げるに際して問題になったのが、消費税の「軽減税率」です。
生活必需品などに限って、標準より税率を低くするというもので、導入するかしないか、導入するならいつ、どこまで軽減税率にするか、与党の間で議論が紛糾しました。軽減税率の導入が求められたのは、消費税に、低所得者ほど負担が重くなる「逆進性」があるためです。
同じものを買えば同じ消費税がかかりますから、高所得者にはたいした負担でなくても、低所得者には重い負担となってしまいます。消費税の税率が高くなるほど、その差は広がるでしょう。
そこで、消費税の10%引上げと同時に、生活必需品の税率を標準の税率より軽くしようというのが「軽減税率」です。
導入までには事務負担、準備不足など多くの課題も
ただ、どこまでを対象にするか、商品ごとに税率が変わるので事業者の事務負担が大きくなる、そもそも準備が間に合わない、といった課題の解決が必要になります。
さらに、軽減税率で税収が減った分をどう埋めるかという問題は、まだ結論が出ていません。他の税収で埋めることになれば消費税以外の税金の増税にもつながるので、実際に導入される時期までは注視していくことが必要でしょう。
[図表]消費税の「軽減税率」とは?