一時110円割れとなった「米ドル/円」…金利の動きから今後の展開を考える

7/13~7/19の「FX投資戦略ポイント」

一時110円割れとなった「米ドル/円」…金利の動きから今後の展開を考える
(※画像はイメージです/PIXTA)

米ドル/円は、先々週に111円台後半まで上昇したものの、先週は一時110円割れの急落となりました。FX開始直後から第一線で活動している、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は本記事にて、「今後の米ドル/円の展開のカギは、米金利が握っている」と語っています。今回は、米金利から「米ドル/円」の今後の展開について考えます。

「修正失業率」から「米金融緩和見直し」を考える

米国の政策金利であるFFレートは失業率と密接な関係があります。このため、両者の関係性がより高まるように、失業率の直近値から過去10年の平均値(10年MA)を引いて求めた「修正失業率」を参考に、米金融緩和見直しについて考えてみましょう。

 

リーマン・ショック後の金融緩和見直しについては、2014年1月に「テーパリング」と呼ばれる緩和の縮小が始まりました。これは、「修正失業率」がマイナスに転落、別ないい方をすると失業率が10年MAを下回ったタイミングと一致していました(図表7参照)。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表7]FFレートと米失業率の関係 (2021年1月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

足元の米失業率の10年MAは5.9%。6月初めに発表された米5月失業率が5.8%と10年MAを下回ると、その後行われた6月FOMCは、一般の予想以上に金融緩和見直しに前向きと受け止められるところとなりました。

 

以上を整理すると、コロナ・ショック対応の金融緩和見直しが現実味を帯びるかは、米失業率が10年MAの5.9%を継続的に下回るかがひとつの目安だといえます。米2年債利回りを介して、米ドル/円の行方にも大きく影響する可能性がありそうです。


 

吉田恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

 

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