年初来高値を更新も、米雇用統計発表後に反落…「米ドル/円」今後の展開は? (※画像はイメージです/PIXTA)

先週、米ドル/円は一時111円台後半まで上昇したものの、注目の米雇用統計でNFPが予想より良かったにもかかわらず反落となりました。一体なぜなのでしょうか。FX開始直後から第一線で活動している、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が、先週の「米ドル/円」反落の理由と、今後の展開について考察していきます。

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[ポイント]​

・先週の米ドル/円は一時111円台後半まで上昇したが、注目の米雇用統計でNFPが予想より良かったにもかかわらず反落となった。これは金利差から見て行き過ぎた米ドル高・円安が続かなかったということではないか。
・当面の米ドル/円は、米金利上昇再燃までは1%程度の反落をはさみながら、じりじり上値を切り上げていく展開の可能性が高いのではないか。

金利差から見た米ドル「上がり過ぎ」の実態

先週、米ドル/円は年初来高値を更新し、一時111円台後半まで上昇しましたが、金曜日の米雇用統計発表後、反落となりました。この米雇用統計は、注目されたNFP(非農業部門雇用者数)が事前予想を大きく上回る結果だったのに対し、米ドルは反落しました。一体なぜなのでしょうか。

 

このところ、とくに6月中旬のFOMC(米連邦公開市場委員会)以降の米ドル/円は、日米2年債利回り差と相関する形で推移していました。ところが、上述のように一時111円台後半まで米ドル/円が上昇した動きは、そんな日米2年債利回りからかい離したものでした(図表1参照)。NFPが予想より良かったにもかかわらず、米ドル反落となった理由よしては、金利差からみて行き過ぎた米ドル高・円安が続かなかったということが考えられます。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表1]米ドル/円と日米2年債利回り差 (2021年1月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

先週後半にかけて続伸する米ドル/円を尻目に、日米2年債利回り差米ドル優位は拡大が一巡しました。先月のFOMC以降の米2年債利回り急騰が一段落し、低下気味の展開となった影響が大きかったといえます(図表2参照)。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表2]米2年債利回りの推移 (2021年1月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

米2年債利回りの90日MAからのかい離率は、一時プラス60%以上に拡大、少なくとも2010年以降では最大のプラスかい離率となりました(図表3参照)。これは、米2年債利回りが記録的な「上がり過ぎ」となっている可能性を示すものでした。そんな米2年債利回りの90日MAからのかい離率は、先週末にかけてプラス40%台まで縮小しています(図表4参照)。

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表3]米2年債利回りの90日MAからのかい離率 (2010年~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
[図表4]米2年債利回りの90日MAからのかい離率 (2021年1月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

 

以上のように見ると、米2年債利回りの急騰が一巡し、さらに注目のNFPが事前予想を大きく上回ったら、普通なら金利は上昇しそうなものですが、むしろ低下となったのは、記録的な「上がり過ぎ」の修正によるところが大きかったのではないでしょうか。

 

すでに述べたように、6月FOMC以降の米ドル/円の上昇は、そんな米2年債利回りが主役を演じる日米2年債利回り差に基本的に裏打ちされたものでした。ただ、先週末にかけてそんな金利差から見て「上がり過ぎ」の可能性が強くなったことから、米ドル/円もNFPが予想より良かったにもかかわらず反落したのです。

 

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マネックス証券  チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティ FX学長

大手の投資情報ベンダーの編集長、社長などを歴任し、国際金融に関する情報発信の分野で活躍。 機関投資家に対するアナリストレポートを通じた情報発信はもとより、近年は一般投資家および金融機関行員向けに、金融リテラシーの向上を図るべく、「解りやすく役に立つ」事をコンセプトに精力的に講演、教育活動を行なっている。 2011年からマネースクエアが主催する投資教育プロジェクト「マネースクエア アカデミア」の学長を務めた。 書籍執筆、テレビ出演、講演等の実績も多数。

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著者紹介

連載国際金融アナリスト・吉田恒氏が解説!今週のFX投資戦略

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