しかし、夫婦共有の「食事」「くつろぎ」「家事・育児」などの活動項目数や時間、そして会話時間が増えれば結婚年数の増加による不満を緩和することが可能です。要するに、夫婦間のコミュニケーションや夫の家事・育児分担が増えれば、妻の「下がり続ける満足度」をくい止めることだってできるのです。
また「夫の育児分担」が少ないと、「最初の子どもの誕生」において妻の不満が大きくなります。妻にとっては初めての育児経験で、予想もつかない不安と混乱の時期に、夫からのサポートが期待できなかった場合、強いインパクトを残すのも当然です。逆に夫の育児分担が増えれば、「最初の子ども誕生」における不満度の緩和が可能です。
「夫の失業」「世帯の預貯金・有価証券額の減少」「夫の収入の減少」といった経済的問題が妻の不満を引き出すのはしかたないことです。しかし、妻も仕事をしている家庭の場合、必ずしも離婚につながらないことは多くの調査でわかっています。そこに夫婦共有の生活活動や会話時間が十分あれば、経済的不満を和らげて、妻の満足度の上昇が期待できるからです。
夫婦愛とは、夫婦関係の満足感や信頼感を根幹としています。夫婦関係の「満足感」調査同様に行われた「信頼感」に関する調査の結果を見ると、妻の信頼感に負の影響を与える項目として、「夫の失業」や「夫の収入の減少」などの経済的問題が上位にあがっています。しかし先述したように、仕事を持つ妻にとっては離婚のリスクを高めるほどにはなりません。
信頼度も満足度と同じく、夫婦共有の生活活動や会話時間、夫の家事・育児分担が増えれば、信頼度が高まります。その夫婦愛の崩壊を押しとどめているものがあるとすれば、夫にとっても、妻にとっても、子どもの成長だったり、自らの離婚後の寂しさや、健康不安や生活不安だったりするものです。
信頼低下で「受け入れてもらえない」苛立ちが爆発
それでは、熟年離婚を具体的に考えるようになるのはどんなときでしょうか?
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