トヨタの強さの秘密…「危機管理」は継続的な人材教育だった (※写真はイメージです/PIXTA)

危機管理にかかわったトヨタの人に話を聞くと、口をそろえて「危機管理に参加したり、支援に行くと、自分自身が成長する」と答えるという。こうした人材教育を続けていることがトヨタの強さであり、その強さが危機管理につながっている。※本連載は、野地 秩嘉氏著『トヨタの危機管理 どんな時代でも「黒字化」できる底力』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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人はみんな人を助けるのが好きなんだ

危機管理はレモンをレモネードにする仕事

 

危機管理にかかわったトヨタの人に話を聞くと、口をそろえて「危機管理に参加したり、支援に行くと、自分自身が成長する」と答える。

 

人に教えるには自分が勉強しなければならない。支援に行くと、現場でさまざまなくふうを考えなければならない。それは講義を聞いて知識を得るよりも、はるかに役に立つ。知識は本から学べるけれど、スキルは体に記憶させるしかない。

 

思えばトヨタの危機管理は人材教育にもなっている。

 

この点について、危機管理人の朝倉もうなずく。

 

「僕は、性善説になるかもしれないけれど、人はみんな人を助けるのが好きなんだと思う。災害や感染症の蔓延で出社できなくなる。仕事ができなくなって、ぼんやりしているスタッフに『さあ、現場に行って直してこようぜ』と言ったら、みんな目が輝くんですよ。

 

自分の気持ちにもいいし、世の中のためになったと感じるんでしょうね。帰ってきてから、バリバリ仕事をするようになる。金がかかる人材教育のセミナーなんかに行くよりも、災害の支援で汗を流して働いた方がよっぽどいいんだ」

 

トヨタは黙々と支援をしている。支援に人を出している。一方通行にも見える。だが、人を助けることは自分にも跳ね返ってくる。情けは人の為ならず、である。

 

英語のことわざに「人生が酸っぱいレモンを与えるのならば、レモネードを作れ」というものがある。

 

酸っぱいレモンにかじりついて、酸っぱさを嘆いていても始まらない。それよりも酸っぱいレモンにほんの少しの砂糖を加えれば子どもたちが喜ぶレモネードに変えることができる。

 

危機管理、支援とは酸っぱいレモンにほんの少しの砂糖をまぶすような行為だ。

 

災難や理不尽なことには創造的なくふうで対処して、魅力的なことに変える。そう信じることから始める。

 

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ノンフィクション作家

1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュをはじめ、ビジネス、食や美術、海外文化などの分野で活躍中。

『TOKYO オリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。

『キャンティ物語』『サービスの達人たち』『企画書は1行』『なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか?』『高倉健インタヴューズ』『高倉健ラストインタヴューズ』『トヨタ物語』『トヨタ現場のオヤジたち』『スバル ヒコーキ野郎が作ったクルマ』『トヨタに学ぶカイゼンのヒント71』『日本人とインド人』ほか著書多数。

著者紹介

連載トヨタ自動車の「危機対策本部」の舞台裏を大公開!

トヨタの危機管理 どんな時代でも「黒字化」できる底力

トヨタの危機管理 どんな時代でも「黒字化」できる底力

野地 秩嘉

プレジデント社

コロナ禍でもトヨタが「最速復活」できた理由とは? 新型コロナの蔓延で自動車産業も大きな打撃を受けた―。 ほぼすべての自動車メーカーが巨額赤字となる中、トヨタは当然のように1588億円の黒字を達成。 しかも、2021…

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