(写真はイメージです/PIXTA)

近未来の消費者洞察データを基軸にイノベーション支援を展開する、株式会社SEEDATA代表取締役社長の宮井弘之氏は、仕事で、自分の評価を高めるためには「同僚をお客さんだと思え」と説いています。

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    同期や先輩はライバル…「いかに勝てるか」を意識する

    上司や部下や同僚が「お客さん」だというのは、なにも、常に相手の機嫌を取って、言うことを聞いて回れという意味ではありません。

     

    上司や部下や同僚は確かに「お客さん」ではありますが、ほかの立場も同時に兼ねています。彼らは「お客さん」であると同時に、ある意味では「パートナー」であり、別の意味では「ライバル」です。

     

    一人の人間を複数の視点で眺めることは「洞察思考」を鍛える訓練になりますが、たいていの人は、相手を一つの立場でしか見ていません。

     

    例えば、上司のことを「命令する偉い人」だと思っていると、その人が一人の人間として悩んだり、弱いところがあったりしてもあまり目に入りません。また、仲の良い同期がいれば「友達」だから、相手の昇進を喜んでお祝いしなければならないと考えます。

     

    しかし、同期は「友達」であると同時に「ライバル」です。自分よりも先に昇進したとしたら、お祝いの言葉を述べると同時に、悔しいと感じるのは当たり前ですし、自分も負けないように頑張らねばと奮い立つのが当然でしょう。

     

    私の経験でいえば、同僚はあまり社内の人間をライバル視することなく、どちらかといえば電通の人間をライバルだと考えていました。しかし、電通と博報堂は2大広告会社ではありますが、それは会社同士の関係であり、博報堂の社員である私が比較されるのは、同じ博報堂の同期です。実は本当の意味でのライバルは、同じ社内の同期や先輩や後輩なのです。

     

    会社の同僚をライバル視するのは、別に悪いことではありません。相手の足をひっぱったり、邪魔をしたりではなく、正々堂々と勝負すればよいのです。

     

    そして、同僚をライバル視することの最大の効果は、自分の強みや弱みが相対的によく分かることです。社内での自分の市場価値を高めたいのであれば、同じ社内の同期や先輩と比較したときの強みや弱みを明確にして客観視したほうがいいからです。これは自分を洞察するうえで最高の視点です。

     

    私の場合は、同期や、年次が近い先輩を自分のライバルと考えて、その人たちとの違いはなんで、自分が選ばれるにはどうしたらいいかと常に考えていました。同じ会社に入社した同期ですから、能力にはそれほどの差がありません。

     

    そこで、あえて相手の弱みを見つけて、その部分を自分が伸ばすことで差をつけようとしました。相手を蹴落とすくらいの視点でなければ選ばれる存在にはならないと考えたからです。

     

    一方で、同期や先輩は「お客さん」だと考えていたので、関係は常に良好でした。実際に、相手に対して攻撃をしかけることなどはありませんでした。

     

    このように、人に対する見方をTPOに合わせてさまざまに変えることは、複雑な世界に対する「洞察思考」を鍛えます。

     

    同期を「仲間」でもあり「ライバル」でもあると見る複雑さは、私たちの脳みそに負荷をかけます。しかし、そのような苦労は、あなたの「洞察思考」を鍛えてくれます。

     

    例えば、同僚は一緒に働いて協力する仲間ですが、もし仮に自分のいる部署で大規模なリストラがあったときに、自分は会社に残ってほしい人材として選ばれるでしょうか? そのように鬼のような冷徹な視点をもつことで、あなたはまた一歩成長することでしょう。

     

     

    宮井 弘之

    株式会社SEEDATA 代表取締役社長

     

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