(※画像はイメージです/PIXTA)

相続の際、通常は親から子へ、子から孫へと世代順に資産を受け渡していくことになります。しかし、資産額が大きいなど一定の条件が重なると、子を飛ばして孫へ、子がいない場合は、きょうだいを飛ばして甥姪へ相続させたほうが、相続税額が低くなることがあります。具体的にはどのようなケースが該当するのでしょうか。IPAX総合法律事務所の工藤敦子弁護士が解説します。

相続税が「2割加算」になるケースとは?

遺産を引き継ぐ人が被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の人である場合に、相続税が通常の2割加算になる場合があります。しかし、2割加算になったとしても、例えば、子を飛ばして孫に相続させる方が総合的に見た場合に節税になる場合があります。

 

節税になるか否かは、個別の事情や適用できる減税制度によって異なるため、慎重に検討する必要があるのです。

「2割加算」の対象になる人・ならない人

●法定相続人(代襲相続人)

 

被相続人の一親等の血族(父母、子、養子〈例外あり〉)と配偶者は、2割加算の対象になりません。また、子が死亡したり相続から廃除されたために代襲相続人となった孫やひ孫も、2割加算の対象から除かれています。これに対し、祖父母や兄弟姉妹、甥姪は、法定相続人(代襲相続人)であっても、2割加算の対象になります。

 

●養子

 

養子は一親等の血族ですから、原則として2割加算の対象にはなりません。ただし、孫やひ孫を養子にした場合、例外的に2割加算の対象になります(その養子が代襲相続人となった場合を除く)。

 

●被相続人の友人、内縁の妻など

 

友人や内縁の妻など被相続人の法定相続人(代襲相続人)以外の者が遺言により贈与を受けたり、死因贈与契約により財産を得た場合、2割加算の対象となります。

「2割加算」の対象となるパターン

孫やひ孫が「保険金」や「死亡退職金」を受け取りながら、相続放棄をした場合

 

代襲相続人である孫やひ孫が死亡保険金や死亡退職金を受け取った場合で、相続放棄をすると、代襲相続人ではなくなるので、死亡保険金にかかる相続税は2割加算の対象となります(相続放棄をしても死亡保険金等は受け取れます)。これに対し、一親等の血族は相続放棄した場合であっても、2割加算の対象にはなりません。

 

養子が相続時精算課税の特例を使った生前贈与を受けたあと、養子縁組が解消された場合

 

被相続人の養子になり、相続時精算課税の特例を受けて生前贈与を受けたあと、養子縁組が解消され、被相続人の死亡によって死亡保険金を受け取ったとします。この場合、生前贈与された財産にかかる相続税は2割加算の対象になりませんが、死亡保険金にかかる相続税は、2割加算の対象となります。

 

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