2度の造血幹細胞移植を経て、2019年春に復職を果たした私立学校の理科教員である向井健一郎氏の書籍『ボクは、笑顔でできている~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~』より一部を抜粋・編集し、「白血病」の闘病生活について見ていきます。

 

さて、充実したリフレッシュ期間も終わり、10月20日から私の白血病治療の第三段階(地固め療法C1)に入りました。

 

再入院してカテーテル(首の静脈に直接管を入れる)の挿入や血液検査・尿検査などを行い、いよいよ第三段階の治療が始まりました。順調にいけば、この治療は造血幹細胞の移植までの最後の投薬治療になります。

 

やや強めの抗がん剤の治療になりますが、第二段階と異なるところは使う薬剤と、主に点滴による投薬になるところでした。

 

つまり、点滴の管が24時間つながっているので、運動や移動が制限されます。また、薬剤が長く体内にとどまることを避けるために、大量の水と「利尿剤」をカテーテルから入れている関係で、1時間半から2時間おきにトイレに行かなくてはならず、これも困ったものでした。もちろん夜中もです。

 

さらに、抗がん剤による胃の粘膜への攻撃を抑制する薬剤で今までになかった副作用が出ていました。手足や顔に赤い斑点が出て、少しかゆみがあるのです。医師からは、「かゆみ止め」の塗り薬が処方されて、我慢できないほどではないので薬を塗りながらなんとかしのいでいました。

著者の白血球の型と完全に一致するドナーが見つかった

一方で、「造血幹細胞移植」について嬉しい報告がありました。私の白血球の型(HLA)と完全に一致するドナー(提供者)が見つかったのです。

 

といっても、ドナーは私の姉でした。しかし、兄弟姉妹の白血球の型が一致する確率は25%(4分の1)。私には姉が一人しかいないので、一致するかどうか心配でしたが、一致することがわかって本当に良かったです。このまま、治療が順調に進めば、最短の時間で移植まで進むことになります。

 

10月20日から始まった第三段階(地固め療法C1)の治療は、これまでの白血病治療に加えて「さらに残っている白血病細胞を減らす」ための治療になります。

 

したがって、これまで使われていた抗がん剤とは異なる、少し強めの抗がん剤を使用しました。そのため、今まで出ていなかった「吐き気」とか「全身のだるさ」などの副作用が出てきました。

 

赤い斑点やかゆみについては、一時期よりは治まってきましたがまだ少し残っています。食事も、今までは全部食べていましたが、少し残すことがあるようになりました。

 

担当の医師にこのことを伝えたところ、「強い抗がん剤を使っているので、それぐらいの副作用は普通に出てきます。ほかの人より少ないほうですよ」という返事でした。我慢するしかないようです。

 

また、白血球やヘモグロビンの量も減ってきているので、自分の病室から出られない「外出禁止」と手洗い・うがいの徹底を言われました。

 

ヘモグロビンや血小板の量はこれからも下がっていく見通しで、さらに下がった場合は輸血も必要になるとのことでした。ちなみに、輸血は治療のなかで想定内のことだそうです。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『ボクは、笑顔でできている~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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