関心が高まるESG投資…「DX」に積極的な企業に注目

「ESG投資」とは、環境・社会・企業統治に配慮している企業に投資することをいいます。また、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、ITの浸透によって人々の生活をよりよい方向に変化させることをいいます。今回は、ESGの視点からDXに積極的な企業について見ていきます。本連載は、東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)への取材レポートです。

ESG関連銘柄の選別に「DX銘柄」を活用する

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

今回は、「ESG(環境、社会、企業統治)投資」における日本株の銘柄選別の一つの切り口として、「DX(デジタルトランスフォーメーション)銘柄」を取り上げたい。

 

2021年6月7日、東証と経済産業省が共同でデジタル技術を前提として、ビジネスモデル等を抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていくDXに取り組む企業を「DX銘柄」として公表した(「DX銘柄2021」として28社を選定。【表1】参照)。

 

(出所:東証、経済産業省の資料等を基に東海東京調査センター作成)
【表1】「DX銘柄2021」28社一覧 (出所:東証、経済産業省の資料等を基に東海東京調査センター作成)

 

加えて、「DX注目企業(DX銘柄に選定されていない企業のなかから特に企業価値貢献部分において注目されるべき取組みを実施している企業として20社を選定)」と「コロナ対応部門選定企業(DX銘柄2021に応募があった企業のなかから新型コロナウイルス感染症を踏まえた対応に関して優れた取組みを実施した企業を 「デジタル×コロナ対策企業」 として11社を選定)」も発表された。

 

「DX銘柄」とは、東京証券取引所に上場している企業のなかから企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業のことであり、業種ごとに最大1~2社ずつ選定して紹介される。

 

DX銘柄に選定された企業は、単に優れた情報システムの導入、データを活用するにとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革及び経営の変革に果敢にチャレンジし続けている企業とみなされることも多い。

 

経済産業省は公表資料で「選定された企業のさらなる活躍を期待すると共に彼らの優良な取組みが他の企業におけるDXの取組みの参考となることを期待する」と言及。政府は日本の中長期的な企業競争力を高める上で、DXを通じた生産性の向上に力を入れており、各種施策を通じて日本企業のDXへの取組みを促している。

 

6月9日には脱炭素やDX投資に優遇税制を導入する改正産業競争力強化法が参院本会議で与党などの賛成多数で可決。今夏にも施行し、企業から計画の申請を受け付ける見込み(DXを進めるためのクラウドやソフトウエア設備への投資は、最大5%を税額控除する)。

 

DXへの積極的な取り組みにより、中長期の企業価値(企業業績を含む)の拡大につながる可能性のあるESG関連銘柄の選別のアイデアとして、DX銘柄に注目したい。

DX銘柄をヒントに、高配当や割安株を探すことも有効

6月15~16日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されたが、利上げ実施時期の見通しを前倒するなど、ややタカ派的なニュアンスとなった。FRB(米連邦準備制度理事会)がテーパリング(量的緩和の縮小)を開始する時期が早まるとの市場の見方も強まり、米長期金利には今後も上昇圧力がかかりやすいと見られる。

 

またワクチン接種の普及により、世界経済が正常化に向かうにつれ、金利の正常化(名目長期金利や実質長期金利の上昇)も自然な流れと捉えられ、高PERを中心としたグロース株に対しては売り圧力が高まる場面も想定されよう。

 

そうしたなかでは、DX銘柄を一つのユニバース(投資対象)とした上で、高配当利回りや、低PER、低PBRなどのバリューファクターを組み合わせて銘柄選別を行うことも有効な投資戦略になりうると考える。

 

中村 貴司

東海東京調査センター

投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)

 

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東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)

山一證券、メリルリンチ日本証券、損保ジャパンアセット(現SOMPOアセット)などでの富裕層・法人営業に加え、年金基金、投資信託のアナリストやファンドマネージャーとして新興市場やオルタナティブを含む幅広い市場・商品の担当責任者を経て、2016年に東海東京調査センター入社。

現職では短中期の戦術的資産配分(タクティカル・アセットアロケーション)やオルタナティブ投資(ヘッジファンド・テクニカルやコモディティ戦略含む)の視点を踏まえたグローバルな日本株の市場分析等を行う。他の代替資産・戦略としてJリート投資戦略、ESG投資戦略、行動ファイナンス投資戦略などもカバーしている。

英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA。アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院米国臨床心理学修士号(MA)。慶應義塾大学商学部卒。国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、国際テクニカルアナリスト連盟検定テクニカルアナリスト(MFTA)、CFP、英国王立勅許鑑定士(MRICS)、不動産証券化協会認定マスター、中小企業診断士。

日経CNBCなどのTV・メディアに出演。日経新聞、QUICK、ロイター、ブルームバーグ、時事通信、東洋経済オンライン、幻冬舎ゴールドオンラインなどでも執筆、コメントを行う。ヘッジファンド・テクニカルのキャリアとして世界のテクニカルアナリスト協会を束ねる国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)の理事などを歴任。早稲田大学ビジネスファイナンスセンターや同志社大学、青山学院大学等で講師を務める。

著書には投信営業に行動ファイナンスアプローチなどを活用した『会話で学ぶ!プロフェッショナルを目指す人の「投信営業」の教科書』(2021年)がある。

●オルタナティブ投資戦略(東海東京TV)
https://www.tokaitokyo.co.jp/tv/public/market/global.html

著者紹介

連載東海東京調査センター「オルタナティブ投資戦略取材レポート」

このレポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断の最終決定は、お客様自身の判断でなさるようお願いいたします。このレポートは、信頼できると考えられる情報に基づいて作成されていますが、東海東京調査センターおよび東海東京証券は、その正確性及び完全性に関して責任を負うものではありません。なお、このレポートに記載された意見は、作成日における判断です。

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