本記事では、「資産の保存」という観点から、ダイヤモンドやプラチナ、銀と比べて「金」が優れている理由を、経済アナリストの増田悦佐氏の著書『資産形成も防衛も やはり金だ』(ワック株式会社)より、一部を抜粋・編集して解説します。

錆びるイメージがある「銅」意外と保存しやすいものの

その点ではむしろ、あまり貴金属というイメージはない銅のほうが、ずっと優れた性質を持っています。銅と錫(すず)の合金、青銅(ブロンズ)が精錬直後は赤みがかったピンクに輝いているけれども、ときが経つにつれて緑色に変色することはご存じと思います。

 

■銅は保存しやすいが安い

 

じつは純度の高い銅も、同じように時間の経過とともに酸化して表面が緑色に変わります。ですが、銅は銀と違って、表面に形成された酸化銅の膜が、内側の純粋な銅を守ってくれるのです。

 

ですから、純粋な銅地金をなるべく長期間目減りさせずに持っていようとするなら、表面が緑色の酸化銅で覆われたままにしておくのが、いちばん上手な保存法ということになります。

 

ただ、銅地金そのものが、金や銀に比べれば非常にお安くなっています。おまけに、まだ地中に埋蔵されていて、あまり多額の費用をかけずに採掘から精錬までの工程を経て市場に出荷できる銅鉱石の量もかなり多いと推定されています。ですから、銅地金を溜めこむこと自体が、あまりお勧めできる資産の保存法とは言えません。

 

結論として、「永遠の輝き」というたったひとつの特徴を抜き出して検討しただけでも、地球上に金を超えたり、金に匹敵したりする物質は存在しないと言い切れそうです。

 

 

増田 悦佐

経済アナリスト

文明評論家

 

資産形成も防衛も やはり金だ

資産形成も防衛も やはり金だ

増田 悦佐

ワック株式会社

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