本記事では、「資産の保存」という観点から、ダイヤモンドやプラチナ、銀と比べて「金」が優れている理由を、経済アナリストの増田悦佐氏の著書『資産形成も防衛も やはり金だ』(ワック株式会社)より、一部を抜粋・編集して解説します。

一家の家宝…「銀の食器」気が付いたら真っ黒の衝撃

金以外で貴金属としてよく知られているグループに、銀、プラチナ、パラジウムなどがあります。プラチナとパラジウムは、あまりおなじみのないルテニウム、オスミウム、イリジウムなどと一緒に、白金族と呼ばれることもあります。

 

■プラチナ、銀は長期間の保存ができない

 

プラチナの別名が白金となっていることでもおわかりのように、これらの貴金属は精錬された直後には白に近い明るい灰色で光り輝きます。でも、これらの金属、中でも銀は空気にさらしておくと徐々に黒ずみ、輝きを失ってしまいます。

 

ですから、たとえば家宝のように大切に親子代々持ちつづけてきた銀食器などは、もしきらきら輝いているとしたら定期的に磨きこんであるはずです。当然、磨き上げるたびに、少しずつ酸化して黒ずんだ部分をこそぎ落としていくわけですから、その分軽くなります。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

それでは目減りを防ぐために、ずっと黒ずんだまま放置しておけばいいのかということになると、そうはいかないのが銀の困ったところです。表面の黒ずんだ酸化銀には、内側の純度の高い銀を守ってくれる性質がほとんどありません。

 

ですから、もう何十年も表面が黒ずんだまましまっておいた銀を取り出して一世一代の大宴会で磨き上げて使おうとしたら、磨いても磨いても、黒ずんだ酸化銀のままだったといった悲惨な話になりかねません。

 

逆に、表面を美しく保つために何百年も磨きつづけていたら、最後に残ったのは酸化銀の屑だけだったということもありえます。

 

プラチナも銀ほどではありませんが、表面が酸化します。白金ということばどおりのまっ白に近い輝きから、だんだんくすんで鈍い灰色に変わっていきます。パラジウムなどその他の白金族の金属もやはり、時間の経過とともに白に近い灰色から濃い灰色に変わり、輝きの華やかさは失われていきます。

 

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資産形成も防衛も やはり金だ

資産形成も防衛も やはり金だ

増田 悦佐

ワック株式会社

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