人類がこれまでに発掘してきた「金」はプール3つ分という衝撃 (写真はイメージです/PIXTA)

有史以前から採掘されてきた金。その全重量は約19万トンと言われています。経済アナリストの増田悦佐氏の著書『資産形成も防衛も やはり金だ』(ワック株式会社)より金の使われ方について一部を抜粋・編集して解説します。

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人類が今までに発掘してきた「金」はプール3つ分?

金はさまざまな天然資源の中でも、いったん人類に利用された後では所在不明になる率が非常に低いという事実があります。

 

地中から掘り出されたり、川底から砂金として採取されたりした金が、全部でどれぐらいの量になるのか、その後どんな用途で使われているか、そしてどれだけの量が行方不明になってしまったかについて、手がかりになるグラフがあります[図表1]。

 

[図表1]世界の採掘済み金ストック、約19万トンの用途別内訳
[図表1]世界の採掘済み金ストック、約19万トンの用途別内訳

 

まず、有史以前から延々と採掘されてきた金の全重量が約19万トンと推定されています。大変な量だろうとお考えかもしれません。ですが、金は水の約20倍の比重を持つ重い金属ですから、オリンピック仕様の水泳プールにすると3つ分強に過ぎないそうです。

 

内訳を見ますと、宝飾品がいちばん多くて9万2000トンです。次に多いのは個人世帯が延べ棒やコインとして持っている金融資産としての金で、3万8800トンとなっています。

 

3番目に多いのが、各国政府・中央銀行や国際協調金融機関がいざというときに払い出す備蓄用に持っている金で、3万3200トン、個人の金融資産としての総額よりやや少なめです。

 

4番目がちょっとあいまいな分類ですが、その他工業用と所在不明の合計で2万7000トンとなっています。

 

なぜここで「その他」工業用となっているかというと、延べ棒やコインとして鋳造されたものも工業製品ですし、宝飾品もまた、美術工芸品として工業製品の一部だからです。

 

最後の5番目は、上場有価証券の中で、「この証券の価値を支えているのは、株券でも債券でもなく、保有している金地金(じがね)ですよ」というETF(上場投資信託)の持ち分が2400トンとなっています。

 

2018年の時点でもETFの持ち分は地上に存在する金の総ストックのうちやっと1.4パーセントになった程度なわけです。これは将来大きく伸びる余地があると見るより、現状ではほとんど市場に受け入れられていないし、将来的にもあまり有望な分野ではないことを暗示する数値だと思います。

 

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経済アナリスト
文明評論家

1949年東京都生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修了後、ジョンズ・ホプキンス大学大学院で歴史学・経済学の修士号取得、博士課程単位修得退学。
ニューヨーク州立大学バッファロー校助教授を経て帰国。HSBC証券、JPモルガン等の外資系証券会社で建設・住宅・不動産担当アナリストなどを務めたのち、株式会社ジパングにてエコノミスト・アナリストを兼任。
主著に『クルマ社会・七つの大罪』、『奇跡の日本史──花づな列島の恵みを言祝ぐ』、(ともにPHP研究所)、『戦争とインフレが終わり激変する世界経済と日本』、『日本人が知らないトランプ後の世界を本当に動かす人たち』(ともに徳間書店)、『いま、日本が直視すべきアメリカの巨大な病』(WAC)、『新型コロナウイルスは世界をどう変えたか』、『投資はするな! なぜ2027年まで大不況はつづくのか』(ともにビジネス社)、『米中貿易戦争アメリカの真の狙いは日本』(コスミック出版)などがある。ブログ『読みたいから書き、書きたいから調べるーー増田悦佐の珍事・奇書探訪』を主宰している。

著者紹介

連載資産形成・資産防衛のための「金」

資産形成も防衛も やはり金だ

資産形成も防衛も やはり金だ

増田 悦佐

ワック株式会社

実体経済を反映しない金融緩和の世界的バブルはやがて崩壊する! 今後6~7年は資産防衛に徹せよ! コロナ禍で実体経済が停滞、低迷しているのに、世界中で株価は高騰し続けている。これは各国が金融緩和、財政出動を競って…

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