不動産投資における物件選びには、複数の選択肢があります。都心の物件か、地方の物件か。新築か、中古か…などなど。物件にはそれぞれ特色があり、投資家の属性や今後の方針などによって選ぶべき対象が絞られてきます。不動産会社の経営者が解説します。※本連載は『いつの時代も不動産投資 ゼロからの成功メソッド』(総合法令出版株式会社)より一部を抜粋・再編集したものです。

都心か、地方か(資産性 vs. 収益性)

購入する物件について、よくみなさんが悩まれる「都心か地方か」「新築か中古か」といった疑問について解説していきます。まずは、収益物件を持つなら、都心か地方か、それぞれの特徴についてお話ししましょう。

 

●都心の物件は、資産性は高いが、物件価格が高く、利回りが低い

 

結論から言うと、都心の物件であれば、収益性は低く、利回りも低いのが特徴です。それがゆえに、相対的に割高となります。

 

 

メリットとして、アドレスに優位性があるため、物件価格が落ちにくいことです。もちろん、年数が経てば建物価値は落ちますが、一般的には資産価値は落ちにくいと言われており、資産性が高いと考えられます。

 

一方、デメリットとしては、利回りが低いため、収益性が弱いことです。都心の物件は高いため、比較的お金持ちの資産家が買う傾向にあります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

●地方の物件は安くて収益性が高いが、空室対策や出口戦略が肝になる

 

地方の物件を買うメリットは何かというと、収益性が高く、利回りが高いことです。また、価格帯が小さくなるため、購入しやすく、参入障壁が低くなります。「キャッシュフローはしっかり確保したい」「利回りが高く、収益性の高い物件がほしい」という人に、地方の物件は向いているでしょう。

 

一方、デメリットとしては、地方の物件ですから、長期間保有する際に、需要が少なく、特に新築は家賃が落ちやすい点が挙げられます(図表参照)。運営・出口戦略をよく考えてから購入することが大切です。

 

[図表]新築物件の家賃下落イメージ

 

また、エリアによっては空室リスクが高いケースがあります。人口が減少していく地域なのかどうか、統計資料をよく見てから買う必要があります。また、地方であれば、それぞれの地域の管理会社に管理を任せるため、自分の目が届きにくいというデメリットもあります。都心と地方、それぞれにメリットとデメリットがあるため、どちらがいいかは、投資家の属性によって適正な物件が異なるので、信頼できる不動産会社からアドバイスを求めることが必要ですね。

 

一見、都心部のほうが投資として安全なイメージを持たれる方が多いのですが、収益が上がらなければ意味がありません。投資を始めて間もなく、これからキャッシュフローや実績を積み上げたいと考えるならば、地方の物件でキャッシュフローを積み、収益をしっかり上げる方法もいいでしょう。

 

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