エリートで安定しているイメージが強い「国家公務員」。しかし人事院が発表した、国家公務員に対する意識調査からは、イメージからかけ離れた実態が見えてきました。

国家公務員…挑戦できず、自己成長が実感できない

そのほか国家公務員における課題ともとれる、否定的な項目をピックアップしていくと、コロナ禍において、一部の職員に業務過多が生じていることがニュースになっているように、「業務量に応じた人員配置」についても否定的な意見が目立ち、問題を浮き彫りにしています。

 

また公務員という立場上、なかなかチャレンジできる環境になく、仕事を通して自己成長を実感したり、将来をイメージしたりすることが難しいことがうかがえます。

 

また民間企業の水準をもとに決められる給与に対しての不満も大きく、またそのことが将来不安にも繋がっているという、「安定の公務員」といったイメージとは異なる悩みも抱えていることが分かります。

 

【主な質問領域の否定的意見】

●職場のコミュニケーション

「職場のチャレンジ志向」3.16

●仕事への積極的な取組

「希望に沿った研修受講」3.17

「自身の将来イメージ」3.04

●上司マネジメント

「ロールモデルの存在」3.12

「キャリアに関する部下への助言」は3.10

●個を尊重する組織

「異動における適性・育成の考慮」2.97

●組織マネジメント

「業務量に応じた人員配置」2.72、

「人事評価の能力伸長への活用」2.76

「公務の将来性」は2.84

「業務の効率化」3.01

「オフィス環境の快適度」は3.13

●報酬・処遇

「退職後の生活の安心感」2.55

「給与の満足度」3.13

「福利厚生の満足度」3.21

 

出所:人事院『令和2年度年次報告書』より

 

「上限は決まっているけど安定している」公務員と、「挑戦のうえ高い報酬を得られるチャンスはある」会社員。双方の意見を聞いていくと、「挑戦もできて、報酬にも反映され、しかも安定している」というような夢の職業はないと実感させられます。

 

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