体験する機会が減っている現代社会で遊びが持つ意味
現代の子どもは、昔に比べて体験する機会が減っています。まわりに自然も少なくなっていますし、事件や事故が怖くてひとりで外には出せないからです。すると、必然的に昔の子どもに比べて現代の子どもは体験が少ないということになります。
また、便利なグッズがあふれていますので、便利さに慣れています。最近では電車に乗るときにはカードを使うことが普通ですから、きっと切符の買い方がわからない子どもが大多数でしょう。
また、幼稚園や保育園ではクリスマスにはサンタクロースが、節分には鬼がやってきます。もともとは園児たちが想像するしかなかったサンタクロースや鬼が、実物の姿で目の前に現れるのです。そうすると、子どもたちは想像する必要がなくなります。
小刀で鉛筆を削ったり、木登りをしたりすることも、危ないからという理由で禁止されてしまうことが多いでしょう。そんな経験不足や想像力不足を補ってくれるのが、おもちゃなのです。
たとえば、積み木でお城をつくることで、大工さんになったり、お姫様になったりすることができます。それは疑似体験にすぎませんが、想像のなかで体験したことは、実際の体験に近い感覚で身につけることができるでしょう。
いまの時代、最高のおもちゃは、白木の積み木だと思います。赤ちゃんのときはなめて遊ぶ、お座りができるようになったら積んでは崩して遊ぶ、幼稚園児になったら意味のある形(お城とか車とか)をつくって遊ぶ、小学生ならダイナミックな造形をつくる、または仕かけ遊びをするなど、長く遊べるおもちゃです。
もちろん、何通りにも遊び方はあります。道路と線路をつくってミニカーや電車を走らせることもできるし、かわいい部屋にベッドやテーブルをつくって、おままごとやお人形遊びもできます。そうやって、想像力を使いながら疑似体験をすることができます。
わが子たちも積み木遊びが大好きでした。わざと不安定な積み方をしたり、自分のまわりに大きな柵をつくって陣地にしたり、自分たちで新しい遊びをつくりだしては楽しんでいました。
河村 京子
母学アカデミー代表
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