事実、撮影中ジーンの下へは、MGM各部門のスタッフが当時のエピソードを伝えたいとよくやって来たという。また、ジーンらのようにその時代を観客として体験している人間も多い。そう言った人々が作りだすリアリティが、コメディーであっても物語の真実味を裏から支えていると思われる。衣装デザインのウォルター・プランケットは一九二〇年代からデザインを手がけていたベテランで、時代背景にあった衣装をデザインするのは容易なことであった。
しかし、風刺的な意味を強めるため、スカートの丈をわざと当時より短めにするなどの工夫をしたという。美術監督のランドール・デュエル、セット担当のジェイクス・メイプスは当時のマイクロフォンや撮影機材を見つけ出し、ガラス張りの録音室やカメラを収める覆いを再現するなどして、当時のスタジオの雰囲気を作り上げた。
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元来 渉
1953年、埼玉県生まれ、医師。1990年代末より、ミュージカル映画のダンスに魅せられ、研究を続ける。 2006年より2011年の間、ブログ「踊る大ハリウッド」および「踊る大ハリウッド Strikes Back」において、ミュージカル・スターの身体やダンスを中心に据えた解説、評伝を発表。
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