「ワンルームマンション税」を施行…効果はあったのか
2004年6月、「狭小住戸集合住宅税条例(ワンルームマンション税)」を施行したのです。狭小住宅を建てようとする建築主に対し、1戸50万円の税を課します。仮に30平米未満の住室10戸のマンションを建設すれば、建築主は500万円の税金を払わなくてはなりません。ワンルーム供給の入口に課税しました。
それから9年後、スラム化を防ぐ「豊島区マンション管理推進条例」が公布されます。
この条例によって、区内の管理組合は管理状況の届け出を義務づけられました。届けを出さない、もしくは届け出内容が規定に適合しない場合は、区が指導、要請・勧告し、マンション名を公表する罰則も定められました。
自治体が、マンション管理にここまで踏み込んだのは全国で初めてでした。ワンルームマンション税の税収は年間3億円程度に上り、良質な住宅の整備につぎ込まれます。豊島区長の高野之夫氏は、特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会(NPO日住協)のインタビューを受け、ワンルーム課税の意図をこう語っています(2013年3月8日)。
「ワンルームマンションは、投資目的で、景気のいい時、金利の低いときにつくられ、池袋を抱える豊島区は、地の利がいいとして狙われました。ワンルームマンションは、管理はお任せで、しかもできるだけ管理費を削る、入居者の半分以上は、住民登録もしない。このころから、この町に対する危機感が生まれてきました」
高野区長は、マンション管理推進条例への思いをストレートに述べます。
「修繕費もかけない、計画修繕もしない、修繕費積み立てもしないマンションが増えると、マンションはどんどん劣悪化して、建て替えもできなくなる。ほかのひとと縁もない状況、ただ寝に帰るだけという町では、いけないと思いました。(略)自分の投資したものを回収できればいいというのでは、住宅はどんどん劣化してゆく」
「これから、マンションの人たちが、区の中でどうやってコミュニケーションをつくっていくのか、そういう意味で、しっかりしたマンションの管理ができて、また何十年後かにきちんと再生、建て替えられるマンションであってほしい」
「町内会に入って、地域との縁をつくっていただいて、そうして30年以内に来るという首都直下型地震に備えるマンションの防災態勢をつくることも大事ですよ。そのことに積極的に参加してもらって、防災は町全体でやっていかないといけない。しっかりした管理組合、住民が行政とともに地域のコミュニティをつくってもらいたい」
マンション住民の関心の的は管理推進条例の「罰則」で名前が公表されるかどうかです。
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