Appleのスティーブ・ジョブズが、文字のアートであるカリグラフィーをプロダクトに活かしていたことは有名だ。マーク・ザッカーバーグがCEOをつとめるFacebook本社オフィスはウォールアートで埋め尽くされている。こうしたシリコンバレーのイノベーターたちがアートをたしなんでいたことから、アートとビジネスの関係性はますます注目されているが、実際、アートとビジネスは、深いところで響き合っているという。ビジネスマンは現代アートとどう向き合っていけばいいのかを明らかにする。本連載は練馬区美術館の館長・秋元雄史著『アート思考』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

アートの価値付けは資本主義社会の「勝ち組」が

アート界のオリンピックとも称されるヴェネチア・ビエンナーレは、世界でもっとも格式の高い、現代アートの祭典のひとつで、100年以上続く世界において最古の国際展です。また「ポストコロニアリズム」「マルチカルチュラリズム」など、時代の課題をいち早くテーマにする正統派の国際的な現代アートの発表の場でもあり、今後の10年の現代アートの動向を占うともいわれています。

 

2015年には、グローバル資本主義を批判する企画展も行われましたが、そこには大きな矛盾がありました。暴走する資本主義をいかに批判しようと、結局のところ、アートの価値付けは、資本主義社会の勝者である、ごく少数の富めるものが行うからです。このようにアートは、資本主義の競争社会、中でも「勝ち組」である権力者たちと切っても切れない関係にあります。

 

アーティストによる資本主義に対する批判そのものが、グローバル資本主義によって拡張し続けてきたアート・マーケットに追従し認められ価値の高騰を招くというジレンマ。これは、なんとも皮肉なことだとしかいいようがありません。

 

秋元 雄史
東京藝術大学大学美術館長・教授

 

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