いまだ収束の気配が見えてこない、新型コロナウイルス感染。経済も落ち込み、家計不安が広がるなか、「家を建てました」という人たちがいます。コロナ禍でもマイホームを実現した人たちの実情を、国土交通省の調査から紐解いていきます。

なぜコロナ禍なのに「家を建てた」のか?

2020年に始まったコロナ禍。それまでは「オリンピックだ!」、「そのあとには万博が待っている!」、「外国人観光客で潤うインバウンド需要」など、景気の良い話が渦巻いていましたが、一転、社会不安が一気に広がりました。

 

厚生労働省『毎月勤労統計調査 令和2年分結果確報』によれば、現金給与総額(名目賃金)は31万8387円(1.2%減)、そのうちパートタイムを除いた一般労働者に限ると41万7453円(1.7%減)。所定外労働時間も13.2%減となり、残業代が大幅ダウン……という会社員も多かったでしょう。

 

もちろん「最高益を記録した」 という話題も聞かれ、未だかつてない景気に沸いている企業や業界もあるようですが、社会全体としては決して良い雰囲気ではないことは明らかです。

 

そのようななか「コロナ禍で戸建てが人気」というニュースも聞かれました。確かに、リモートワークの拡大で、住宅によりよい環境を求めるニーズは高まったとはいえ、先行きが不透明ななか、どのようにマイホームを建てるという大きな決断に至ったのか……。国土交通省『令和2年度住宅市場動向調査』から、コロナ禍に家を建てた人たちの実態を見ていきましょう。

 

コロナでも夢を実現(※画像はイメージです/PIXTA)
コロナでも夢を実現(※画像はイメージです/PIXTA)

 

まず一戸建てを建てた人たちの「年齢」は、全国平均42.9歳。「世帯年収」は全国平均695万円(初めてを戸建てを建てる一次取得者のみ)です。

 

「一戸建てを建てた理由」で最も多かったのが「一戸建てだから」44.1%で前年から7.5%の大幅増。そもそも住み替えに際し、一戸建てであることが絶対条件だったこと、前年から大きく数値を伸ばしていることから、コロナ禍が後押ししたことがうかがえます。続いて「信頼できる住宅メーカーだから」が42.6%、「新築だから」が40.0%、「立地環境が良かった」が35.3%と続きますが、前年からは数値を落としました。

 

「設備等でこだわったポイント」を見ていくと、「高気密、高断熱」が56.5%で前年比8.0%増、「災害に対する安全性」が48.0%で前年比6.0%増、「住宅のデザイン」が55.6%で前年比7.1%増、「間取り、部屋数」46.2%で前年比2.7%増、「住宅の広さ」が35.9%で前年比3.4%増と、あらゆる項目で前年比増を記録。マイホームへのこだわりが強まったのも、コロナ禍で在宅時間が多くなったことが関係しているのかもしれません。

 

また「住宅取得時の経済的影響」でプラス要因になったのが、「税制等行政施策」が37.8%、「金利動向」が36.0%と高く、昨今の税制優遇や低金利が一戸建て建築の後押しになっています。

 

一方でマイナス要因としてあがったのが、「家計の見通し」で28.2%、「経済の先行き」が21.2%。コロナ禍による経済不況と家計への影響は、一戸建てを建てた人たちにも悪影響を与えたようです。

 

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