いまだ収束の気配が見えてこない、新型コロナウイルス感染。経済も落ち込み、家計不安が広がるなか、「家を建てました」という人たちがいます。コロナ禍でもマイホームを実現した人たちの実情を、国土交通省の調査から紐解いていきます。

住宅ローン月返済額の平均10万円強に家計はひっ迫

コロナ禍でも一戸建てを建てた人たち。もう少し細かく見ていきましょう。

 

「敷地面積」は「全国平均」227.01㎡で、「首都圏平均」では182.56㎡。「延べ床面積」は「全国平均」116.84㎡で、「首都圏平均」では113.09㎡。大都市・東京を抱える首都圏は、全国平均と比べて、やはり敷地面積も、延べ床面積も狭くなっています。

 

立地はどうでしょうか。「最寄り交通機関までの距離」は「全国平均」1.5km、「首都圏平均」1.4km。最寄りの駅やバス停などから、おおよそ15~20分ほどのところに家を建てています。

 

「通勤時間」は「全国平均」31.1分、「首都圏平均」が49.1分。首都圏のほうが全国平均よりも20分ほど長いのは、都心の地価の高さから仕方がないこと。また住み替え前は「全国平均」29.5分、「首都圏平均」42.8分。夢のマイホームのためなら多少通勤時間が長くなっても仕方がない、というのは全国共通のようです。

 

お金まわりについて見ていきましょう。「住宅建築資金総額」は「全国平均」4606万円、「首都圏平均」5994万円。それに対し、「借入金」は「全国平均」3409円、「首都圏平均」3854万円。「自己資本比率」は「全国平均」26.0%、「首都圏平均」は35.7%。東京を含む首都圏のほうが、地価の高さから総額は1000万円以上高いですが、自己資本率も10ポイント近く高くなっています。地価の高さを住宅ローンだけでなく貯蓄でカバーしている実情が見えてきました。

 

住宅ローン年間返済額は、「全国平均」124.7万円で返済負担率は17.9%。「首都圏平均」では153.4万円で返済負担率18.1%。返済期間は全国平均も首都圏平均も30年強です。月々全国では10万円強、首都圏では13万円弱のローンを返済している計算です。

 

一戸建てを建てるには切っても切り離せない住宅ローンですが、負担感を感じていると答えたのは、実に66.8%にも及びます。

 

総務省『家計調査家計収支編2020年』によると、一戸建てを建てた平均である世帯主40代前半世帯(世帯人数平均3.8人)の「消費支出」は平均29万7074円。そこから住宅ローン10万円を差し引いた19万円あまりで生活しなければなりません。40代前半というと、子どもの教育費も年々増えていき、家計に重くのしかかる時期。マイホームを実現した6割の人が、住宅ローンに負担感を覚えるのは無理もありません。

 

 

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