経営者の仕事は「保育者を大切にすること」につきる
保育園は「子ども」が主役です。しかし、保育園の代表が子どもに意識をとらわれ過ぎるから保育士の待遇が改善されないのです。子どもを大切にするのは保育者の仕事であり、経営者の仕事は保育者を大切にすることなのです。
保育園では保育士こそ商品なのです。保育士がどれだけ若くても国家資格を所有する専門家であることに敬意を払いましょう。「〇〇ちゃん先生」などと呼ぶことは、筆者は感心しません。筆者の場合、すべての職員に対して敬語を使っています。
徹底した「雇用契約書の説明」でトラブル予防を
保育園のトラブルには、保護者からのクレームもありますが、保育園の運営を左右するトラブルは3つあります。
①保育士による園児への体罰
②保育園の管理体制の甘さによる重大な事故
③職員へのパワハラ・セクハラによる一斉退職
これらは、ほぼ人災といっても過言ではありません。
古い気質の経営者は、こうした問題を現場の保育士の責任にしてしまいますが、筆者は、職場環境の悪化が原因であり、悪化するような職場を構築した経営者の責任だと考えています。
日々のコミュニケーションも大切かもしれませんが、筆者は、雇用契約書の説明をしっかりすることが重要だと思います。むしろ、筆者は、園長以外の職員とほとんど会いませんし、話もしません。連絡があれば社内SNSを使用します。
筆者たちの保育園には毎年100人を超える保育士から応募がありますが、面接後と雇用契約書の説明後に辞退される方も少なくありません。よく、入社時研修で社内ルールを伝える会社がありますが、本来、契約後に従業員を制限するルールを言い出すのは後出しじゃんけんです。というよりも、従業員である以上は会社のルールに従うのが当然だというのは極めて古い価値観だと思います。
会社のルールを先に伝え、それに異議がなければ契約し、異議があれば契約をしない。契約とはそういうものだと思います。それに入社してからの研修は仕事ですから給料が発生しますが、契約前の説明に給料は発生しないという利点もあります。
保育園に限らず、どんな業種でも「面接のときに聞いていたのと違う」と従業員が思えば、会社に対する不信感は募るばかりです。
それは、経営者から見ればささいなことかもしれませんが、従業員にとっては、そのささいな内容が「この会社は約束を守ってくれないんじゃないか」と被害妄想のように大きくなってしまいますので、マイナス面こそ強調すべきだと筆者は考えています。面接に自社のパンフレットを使用し、PRをしてしまう経営者が多いのですが、マイナスの理由をしっかり説明することが大切です。
筆者が説明する内容を、具体的に紹介します。
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