保育園の開園申請からオープンまでの流れとは?
保育園をオープンさせるまでの流れとして、半年前、3ヵ月前、1ヵ月前を区切りとした、合計7つのステップが存在します。
『企業による「小規模保育所」運営ビジネス…開園までのスケジュール管理と行政との交渉(半年前~3ヵ月前)』
『企業による「小規模保育所」運営ビジネス…開園までのスケジュール管理と行政との交渉(3ヵ月前~1ヵ月前)』
上記で紹介したステップに続き、ここではオープン1ヵ月前から必要となるステップについて解説します。
【オープン半年前】
ステップ1 自治体の窓口でヒアリング
ステップ2 保育所の場所を確保する
ステップ3 登録保育士を手配する
ステップ4 申請する
【オープン3ヵ月前】
ステップ5 保育士を募集・採用
【オープン1ヵ月前】
ステップ6 認可が下りる、開園準備
ステップ7 オープン、最初は半日保育で態勢を整える
ステップ6:認可が下り、開園準備へ(PRは自治体)
●オープン1カ月前
オープン1カ月ほど前には、正式な許可が下りますので、本格的な準備を進めることになります。ただ、それ以前からある程度の準備を進めておかなければ、オープンに間に合いません。
建物の内装と同時に子どもの募集も始めなければなりません。認可保育所の場合はほぼ間違いなく自治体の広報などに募集の告知を掲載してもらうことができます。例えば、私の会社が保育所を運営している岐阜県の富加町のサイトでは、次のような告知をしてくれました。
4月より子育て支援拠点施設すくすく内にて富加町認可の民間事業所による小規模
保育事業が始まります。
○3歳未満児専門の小規模保育所です。
定員は0歳児6人、1歳児6人となります。
○詳しくは、ホームページをご覧ください。
りんご保育園とみかチラシ
とみか入園のしおり
りんご保育園ホームページ
○お問い合わせ先
保育内容等については、りんご保育園まで
入園の手続き等については、富加町教育課子育て支援係まで
地方であれば、地域の回覧板などに掲載してくれることもあります。さらに協力的な自治体では臨時で入園説明会などをしてくれることもあるでしょう。富加町でも入園説明会を2月に実施してくれました。
しかし広報などに掲載してもらうには時間がかかります。認可が下りてからの準備では間に合わないのです。オープンの1カ月ほど前から、自治体と相談しながら広報用の原稿を用意しておく必要があります。
準備の段階で注意しなければならないのは備品等の購入です。認可保育所はあくまでも、行政のスケジュールがベースになりますので、年度で切り替わります。自治体によっては補助金が出ることがありますが、4月にオープンする保育所の場合には4月以降に購入したものしか対象になりません。
現実的には4月にオープンするためには、3月までに購入しておかなければならないので、この点では矛盾が生じますが、行政の手続き上は認められません。それを避けるために保育所のオープンを3月にする方法もありますが、その時点で保育士が出勤していなければなりません。前述のように、在職中の保育士は、どんなに嫌な職場でも、子どもたちのために卒園するまで我慢して働いていますので、3月に転職してくれる可能性は低いでしょうし、仮にそういう方は、保育士としての責任感に疑問が残ります。
自治体側も3月のオープンはあまり好みません。1カ月分だけ前年度の予算として処理しなければならないからです。
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