「できないからやらない」原因は親の…
新しいことを始めるときに「できないからやらない」「失敗したら嫌だからやらない」と言う子がいます。こういった子たちは、失敗や負けによってひどく傷ついたケースが多い傾向にあります。
「だから失敗するって言ったでしょ」「まったく不器用なんだから」などと親に否定された、不幸な経験を持っているのです。すぐに「失敗」は恥ずかしいことではない、むしろ、頑張った証であることを教えてあげる必要があります。
最も効果的な方法の一つがお手伝い。今の子どものスキルより、ほんの少し難度の高いお手伝いをさせましょう。
2歳であれば、食事前のテーブルセッティング、3歳であれば簡単な洗濯物畳みや野菜をちぎるなど。4歳以降は包丁を使う、洗濯物を洗濯ばさみで留める、食器を片づけるといった巧緻性や慎重さが求められるお手伝いにチャレンジさせます。
最初はうまくできないかもしれませんが、できるだけ一人でやらせてあげましょう。失敗しても見映えが悪くても、笑ったり責めたりせず「助かったよ。ありがとう」と感謝するのが基本です。
子どものほうから「うまくできない」「失敗だね」などネガティブな発言があった場合には、「お手伝いには成功も失敗もないよ。ママが助かったから、それだけでOK!」と肯定してあげてください。また、親が失敗するところを見せてあげるのも大切です。
わざと失敗する必要はないのですが、少し苦手なことにチャレンジしてみると、失敗シーンを見せてあげられるかもしれません。
例えば、ママがDIYに挑戦したら、木材の大きさがそろわず、いびつな箱が完成した。日曜日の朝ごはんづくりをパパが担当したら、目玉焼きを大失敗。でも、お互い、失敗したときも笑顔で「頑張ったね!」と称え合う。そして得意な人にやり方を聞いて、また、翌日や翌週に挑戦してみるのです。
そんなふうに、親も失敗するけれど、ちっとも恥ずかしくないし、ちゃんとやり方を調べて、何度も練習すれば成功につながることを示してあげましょう[図表1]。
子どもの頭の中で、親はなんでもできる完璧な存在としてインプットされています。それを壊して、誰だって失敗すると分かれば、子どもの気持ちもラクになるのです。
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