「フルサービス型の米国証券会社」CS調査まとめ
2021年の調査の主なポイントは以下の通り。
■コロナ禍のなかで若いフルサービス投資家と証券会社との接点が増加
40歳未満のフルサービス投資家の55%がアドバイザーとのコミュニケーションにデジタルチャネルを好むのに対し、40歳以上の世代のフルサービス投資家では26%に止まった。また、40歳未満のフルサービス投資家の71%がコロナ禍のなかで証券会社とのコミュニケーションの頻度が増加したと回答した。
増加幅が大きかったチャネルは、電話(前年比+33%)、ウェブサイト(前年比+25%)、電子メール(前年比+24%)、モバイルアプリ(前年比+23%)が挙げられた。それに対し、40歳以上のフルサービス投資家では、過去一年間でコミュニケーション頻度が増加したと回答したのは38%に止まった。
■若いフルサービス投資家は投資ポートフォリオの見直しの可能性が2倍
過去一年間で、40歳未満のフルサービス投資家の58%が投資ポートフォリオを変更した。具体的な変更内容には、投資額の増減や、定期的な拠出の停止や引き出しなどがある。それに対し、同期間で同様の変更を行った40歳以上のフルサービス投資家は28%に止まった。
■重要な優先事項であるESG*3は多くの会社で取り組みに課題
40歳未満のフルサービス投資家で、証券会社がESG投資に取り組んでいると「強く同意」した回答者のうち、52%がその会社で投資額を増やす予定だと回答した。それに対し、この数字は40歳以上のフルサービス投資家においては24%に止まった。
ESGへの取り組みが若い投資家の間で好評にもかかわらず、40歳未満のフルサービス投資家のうち68%が自分の証券会社のESGへの取り組みについて懐疑的であるまたは知らないと回答した。
*3:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉で、ESG投資とはこの3つの観点に配慮している企業を評価し、投資先を決める投資方法。
■固定費用の一回払いや毎月払い(サブスクリプション・モデル)による支払いが若いフルサービス投資家を魅了
40歳未満のフルサービス投資家の74%がフルサービス型資産運用サービスに対しての固定費用の一回払いを支持すると回答した。
これに続いて、サブスクリプション・モデルによる支払いも40歳未満のフルサービス投資家の73%が支持すると回答した。これに対し、40歳以上のフルサービス投資家のうち、42%が利用ごとの固定費用の一回払い、34%がサブスクリプション・モデルによる支払いを支持するに止まった。
■J.D.パワー ウェルス・インテリジェンス部門シニアディレクター マイク・フォイのコメント
「40歳未満のフルサービス投資家の資産運用における好みや優先事項は急速に変化しており、ブーマー世代のそれらとは一段と異なってきている。新型コロナウイルス感染拡大は、若い世代のデジタル化を加速させただけでなく、ブーマー世代ではまださほど重要視されていないESGのような新たな課題に対する意識も向上させた。
これらのことから、証券会社は現在40歳未満の投資家が将来今のブーマー世代と同様の投資行動をとることを想定しているとすれば、先行きで間違いを起こすこととなる。上記のようなニーズの変化を認識し、それに対応できる会社が大規模な世代間の相続のなかで成功を収めることができるだろう。」
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