筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏は著書『新訂版 発達障がいに困っている人びと』のなかで、発達障がいとどのように向き合うべきか語っています。本記事では、発達障がいの子どもについて、実例をもとに解説します。

イライラして怒鳴る教師や親御さん。それによって…

中学校くらいになると、同じADHDでも多動・衝動型で落ち着きのないお子さんより、不注意型で忘れ物の多いお子さんの方が目立ってきます。気が散り、集中できず、切り替えが下手で、指示に従えないという特徴のあるお子さんです。E君もこのタイプで、集中ができないから宿題ができないと考えられます。

 

言っても言うことを聞かないと、ADHDのお子さんにイライラして怒鳴る教師や親御さんも多くいます。

 

しかし、この怒鳴ることで、結果、お子さんの自尊心が低下してしまい症状を悪化させています。そして、自尊心が低下していくと、「俺なんかどうでもいいや、生きていてもしょうがない」と感じると、何もヤル気がなくなり、学力が徐々に低下することもありますし、反抗挑発症(ODD:Oppositional Defiant Disorder)や素行症(CD:Conduct Disorder)といった非行行為を誘引する二次的な障がいへとADHDが進展してしまう危険性があるのです。

 

ODDとは、自分にとってためになることでも反発して受け付けなかったり、周りに対して、挑戦的、挑発的態度を繰り返したりするというものです。

 

「かんしゃくを起こす」「大人と口論する」「大人の要求または規則に従うことに積極的に反抗または拒否する」「故意に他人を苛立(いらだ)たせる」「自分の失敗・不作法を他人のせいにする」「神経過敏またはイライラしやすい」「すぐに怒りを露(あら)わにする」「意地悪で執念深い」という8つの項目のうち4つ以上が存在するというのが一つの診断基準となります。

 

治療によって比較的症状が緩和されやすいのですが、自尊心が回復できずに症状が進み、素行症まで発展してしまうと、なかなか緩和するのに苦労します。

 

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鈴木 直光

筑波こどものこころクリニック院長・小児科医
小児神経学会認定医博士(医学)

 

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

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