日本の持ち家率は60%を超え、マイホーム購入に至る年齢は40歳前後というのが一般的。人生の折り返し地点で多額のローンを負うと、どのように返済していくことになるのでしょうか。横浜市「綱島」に30代で新築分譲マンションを購入した会社員を例にみていきます。

繰り上げ返済あり/なしで、完済時期はどれほど違う?

新駅開業に期待がかかるエリアの新築マンション。予算オーバーの7000万円でしたが、住宅ローンの利用は4000万円。実は義親から贈与を受け、頭金3000万円を用意。月々の返済は10万円程度に抑えているのだといいます。

 

平均的な年収だといいますが、共働きなので家計も比較的余裕があり、積極的に繰り上げ返済を行っていく予定。2年ごとに、200万円程度の繰り上げ返済を行い、60歳前に完済したいといいます。

 

繰り上げ返済は、大きく「返済額軽減型」「返済期間短縮型」の2つ。「返済期間短縮型」は、毎月の返済額に変化はありませんが、返済期間が短くなります。そのため利息軽減効果が高い方法です。一方、「返済期間短縮型」は返済期間は変わりませんが、毎月の返済額を減らすことができます。しかし、利息軽減効果は「返済期間短縮型」と比べて低くなります。

 

仮に元利均等の返済方式で、金利は当初5年は0.6%、以降は1.0%、35年で返済するとなると、利息は661万6177円で、総支払額は4661万6177円。月々の支払いは当初5年は10万5611円、5年以降は11万1888円です。35歳で購入したとすると、完済は70歳になります(関連記事:『住宅ローン35年返済プラン「繰り上げ返済あり・なし」比較表』)。

 

一方、2年ごとに200万円ずつ繰り上げ返済をしていくとどうなるでしょうか。

 

利息分は338万4254円で、繰り上げ返済なしの場合と比べて、323万1923円の差。支払い回数は420回から231回になります。35歳で購入した場合、19年後の54歳には完済することになります。

 

一見するとメリットの大きい繰り上げ返済ですが、繰り上げ返済に伴い、手数料がかかる金融機関があります。何度も繰り上げ返済をすると、その分、手数料負担が増えていきます。

 

また繰り上げ返済で期間が短縮すると、住宅ローン控除の適用から外れる可能性も。住宅ローン控除には「ローン残年数10年以上」という適用条件があり、残年数10年を切ると住宅ローン控除を受けられない可能性があるので注意が必要です。

 

繰り上げ返済時の手数料ゼロ円とか、繰り上げ返済金額に条件なし、とうたう金融機関もありますので、これからローンを組むなら、繰り上げ返済の条件で借入先を決めるのも手です。

 

 

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