介護付有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、地域密着型のグループホームを運営する株式会社三英堂商事の代表取締役社長・上村岩男氏が、人生100年時代を迎えた日本の介護業界について解説します。

介護施設における「看取り」の実情は?

介護施設で入居者が亡くなるときには、医師や看護師、介護職員らのチームによって、いわゆる「看取り」が行われるケースがあります。

 

因みに、私どもが運営している施設である「家族の家ひまわり」(サービス付き高齢者向け住宅)で働いているスタッフが、ある入居者の方を看取った時の体験を次のように記しています。

 

「入居当初、食事は介助して口へ運ぶもすべて吐き出してしまうため、ご家族に協力してもらいながら好きな食べ物を持参していただいたりして対応していました。一時期は自分でお食事ができるところまでいきましたが、徐々に体力は低下され、点滴も入らない状態となってしまいました。

 

入居されて4カ月後に居室でご家族に見守られながら亡くなられました。通夜に参列した時に、ご家族さまは《〈ひまわりさん〉に入居させて良かった。母の笑顔がいっぱい見られて良かった。職員の皆さまに本当によくしてもらいました》と涙ながらにお話ししていました」

 

介護施設における看取りの実情の一端を伝えるものとして、参考までに紹介してみました。施設では自力で食事を取ることが困難になった入居者に対しても最期までサポートします。

 

家庭では看取りまで行うことが難しい現実もあり、施設での看取りを望む人は着実に増えています。

「感動」を味わえる施設なら、余生を心豊かに過ごせる

このように、今や、介護施設は介護の場所であるだけでなく、多くの高齢者にとって「終の住み処」としての役割も果たしているのです。

 

かけがえのない人生の残りの時間を過ごすことになるだけに、利用者や家族が理想的な施設を見つけることはこのうえなく重要な課題であるといえます。しかも、一口に介護施設といっても、その中身やあり方は千差万別です。

 

その選び方を間違うと、人生の締めくくりを不本意な形で迎え終えることにもなりかねないのです。では、心から満足のできる介護施設を選ぶにはどうすればよいのでしょうか。私は20年以上にわたって介護事業を手掛けており、また私どもが開設・運営している介護施設は、入居者の方々やそのご家族の皆さまと数限りない共生の道を歩んできました。

 

その中で、常に願ってきたのは、入居者である高齢者の方々に心からの感動を、「この施設に入って本当に良かった!」という深い喜びを感じていただきたいということでした。

 

感動は人に強い幸福感と満足感をもたらします。感動が多ければ多いほど、人は自分の人生に幸福と満足を感じることができるはずです。そうした観点から、人生の残りの時間の多くを過ごす介護施設では、どれだけ心を動かされる場面を経験できるのかが非常に大切となるはずです。

 

逆にいえば、「感動」を与えてくれるか否かを基本的基準として施設選びを行えば、心から満足のいく施設、余生を心豊かに過ごせる介護施設に巡り合える可能性は高まると思います。

 

 

上村 岩男

株式会社三英堂商事

代表取締役社長

 

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