大幅な安値が続く「フィリピン銀行株」…絶好の仕込み時か?

2020年に突如として世界を襲った新型コロナウイルスの猛威はいまだ収束を見込めず、業界によっては厳しい状況に追い込まれています。世界の投資家が注目するフィリピン株式市場についてレポートする本連載。今回はフィリピン経済の停滞と共に割安感のある銀行株について、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏が解説します。

フィリピンのトップバンク…PBRは過去5年平均の半分

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ワクチン接種がかなり進んでいるアメリカやイギリスの経済回復は力強いものになって来ています。また、世界に先駆けてコロナを押さえ込んだ中国の景気回復も力強く、その旺盛な需要によって、世界中で資源、食品、半導体などが大幅な供給不足となり、全体的にコモデティー相場が急上昇しています。

 

フィリピンにおいては、日本同様ワクチン接種がまだまだ進んでいない状況です。約770万人分のワクチンが配布され、少なくとも250万人が1回目の接種を受けていて、フィリピンの人口の約2%がワクチンを接種したことになります。現在、約3,500ヵ所のワクチン接種施設で接種を進めています。

 

5月の1日あたりの平均感染者数は約6,600人で、4月の1日あたりの感染者数約9,600からは下がってきていますが、1日の感染者数自体や陽性率を押さえ込んでいるという状態には至っていません。

 

経済全体が回復に向かえば、経済活動の血液である銀行株は、基本的には上昇していきます。このような状況下、フィリピンはいまだ経済の本格回復過程には入っていませんが、そろそろ回復を見越して銀行株の動きを見て仕込んでいっても良いタイミングではないかと考えています。

 

いうまでもなく、2020年そして2021年に入った今現在も銀行部門にとっては、非常に厳しい状況が続いています。残念ながら、融資額の回復にはまだ結びついておらず、実際にはまだ縮小しています。

 

このような状況下、過去のバリュエーションと比較して、大幅は安値(バーゲン価格)になっている銀行が複数ありますので、バーゲンハンティングをしていっても良いと思います。

 

不良債権比率についてみると、1997~98年のアジア通貨危機時に見られた20~25%に比べると、現状でも3~4%で、これからもう少し増えても5%程度なので、意外と低い数値に抑え込んでいます。

 

※画像はイメージです/PIXTA
※画像はイメージです/PIXTA

 

そんな中で「BDO」は、フィリピンのトップバンクで、その規模を考えると最も回復力があり、財務的にも「アヤラ」と並ぶフィリピン最大財閥である「SMグループ」に支えられているので、実際にどんな危機でも生き残る銀行の一つだと考えられています。

 

また、第2位の「メトロバンク」も、PBRが0.61と過去5年平均1.1%の半分程度とかなりの安値になっています。同行はフィリピン10大財閥で「TYファミリー」がオーナーで「トヨタ・モーターズ・フィリピン」などを有する「GTキャピタル」の傘下です。配当利回りも7%超えになるので、狙い所ではないでしょうか。

 

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    一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング エグゼクティブディレクター

    慶応義塾大学経済学部卒業後、東急電鉄に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
    その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア・ユニシス)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施。現在、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産の販売やフィリピンへの事業進出のアドバイスを行っている

    著者紹介

    連載投資すべき国No.1「フィリピン」を取り巻く最新事情

    ※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
    ※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
    ※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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