税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
2008年以来の大幅な物価上昇
今年4月の米国CPIは前年同月比4.2%の上昇となり、市場予想の同+3.6%を大きく超え、2008年以来の大幅な物価上昇となった(図表1)。
また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは、市場予想の前年同月比+2.3%を上回る同+3.0%となり、こちらは1996年以来の高い伸び率となった。主な内訳は、食品が前年同月比+2.4%、エネルギーが同+25.1%となったほか、中古車が同+21.0%、航空運賃が同+9.6%となるなど、幅広い品目で高い物価上昇が見られた。
4月の米国CPIは、コロナショックの影響で前年との比較が上振れしやすい「ベース効果」が表れると事前に指摘されていたが、実際の数値はその市場予想を大きく上回る結果となった。FRB(米国連邦準備制度理事会)当局者は、総じてインフレ率の上振れが「一過性」のものだと論じているが、市場関係者はその分析に対して必ずしも同意しているわけではなさそうだ。
インフレ率の上振れを「一過性」と捉えなかった市場関係者
FRBが重視する物価指標である米国PCE(個人消費支出)価格指数の市場予想は、今回の4月米国CPIの発表を受けて上方修正された(図表2)。特筆すべきは、そのインフレ予想の「上方修正幅」と「趨勢(すうせい)」だ。
5月14日時点のPCEの市場予想は、21年4-6月から22年1-3月にかけておよそ+0.2~+0.3%ほど前週比で上方修正された。これは、インフレ率の上振れが21年4-6月にとどまる「一過性」のものではなく、少なくとも年内までは高止まり状態が続き、さらにPCEが2.0%へ減速するペースも緩やかになることを意味する。
また、FRBの利上げ時期の市場予想も前倒しとなったことが確認できる。政策金利の市場予想は今回はじめて23年7-9月に0.50%を示し、1回分(0.25%)の利上げが織り込まれたことになる(図表3)。FRBと市場関係者のインフレ論争は、当面過熱することになるだろう。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『市場予想を大幅に超えた米国CPI 利上げ予想はどう変化したか?』を参照)。
(2021年5月17日)
田中 純平
ピクテ投信投資顧問株式会社
ストラテジスト
日本経済の行方、米国株式市場、新NISA、オルタナティブ投資…
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