ゴミ屋敷になるリスクに備えて「少額短期保険」に入る
ゴミ屋敷化した部屋の原状回復費用は、基本的には借主が支払うものであり、大家さんが負担するものではありません。しかし、払えない・払わないなどの費用の問題や、当人が逃げてしまったりする可能性も。修復費用を大家さんが全額負担することは、あり得ない話ではないのです。
こういった最悪の事態に備えて、保険に入っておくことは非常に有効です。
最近では、火災・落雷・盗難など事故や自然災害に伴う費用のほか、また孤独死してしまった場合の清掃費や遺品整理の費用を負担してくれる保険もあります。ゴミ屋敷になってしまった場合も、100万円程度まで補償可能な少額短期保険も多いです。
入居のときや更新の際に、こうした保険への加入を義務付けることで、大家さんの急な出費を防げます。火災保険など賃貸契約に保険加入が盛り込まれていることが一般的ですが、ゴミ屋敷にも対応できる補償内容になっているか、保険内容を見直して、リスクを最小限に抑えるようにしましょう。
◆少額短期保険とは
少額短期保険は、少額かつ短期の保険の引き受けのみを行う保険のことです。近年ではニッチな分野の保険も増えていることから、「ミニ保険」とも呼ばれています。一般的な生命保険や損害保険との大きな違いは以下の3つです。
・保証額に限度(上限)があること
・保証期間が1年~最長2年
保証期間が短期のため、満期に達したら契約を更新する必要があります。忘れずに更新してください。また少額短期保険は、生命保険料控除や地震保険料控除の対象ではありません。年末調整時の還付金を受け取れないことを覚えておきましょう。
◆少額短期保険を選ぶときのポイント
大家さんのリスクヘッジをしてくれる保険は、以下の補償をセットにして提案していることが多くあります。以下の3つの補償をしっかり提示している会社であることが、加入する保険を選ぶときのポイントです。
・大家さんへの賠償費用の補償
・第三者への賠償費
最も重要なポイントは、上記3点がゴミ屋敷を補償対象としていること。貸している部屋に何かあっても損害補償されると安易に考えず、対象とされる事故のなかに「ゴミ屋敷の項目」が入っているのか、確認する必要があります。
■まとめ
大家さんにとってリスクでしかないゴミ屋敷問題。多くのゴミ屋敷を処理してきた特殊清掃員の観点から、ゴミ屋敷を生まないために大家さんができることをご紹介しました。
初期の段階でゴミ屋敷の芽を摘むことで、近隣との大きなトラブルに発展させず、大家さんのリスクも最小限に抑えることができます。安心した賃貸経営をするためのヒントとしてご活用ください。
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