金融緩和策の影響で「ハイブリット型」の上昇率目立つ
政府系住宅金融機関であるフレディマック社/ファニーメイ社が、住宅ローンを民間金融機関から買い取る資金を調達するために自ら発行する、住宅ローン担保証券(RMBS/MBS、これらの証券は米国債とともに米国連邦準備制度理事会[Fed]による量的金融緩和の買い取り対象)があります。
現在米国で上場している住宅ローン系上場不動産投資信託は20銘柄ありますが、それらの時価総額合計は、本年3月末時点で431億米ドル、前年同月比55%の増加となりました。特に、ハイブリット型住宅ローン系上場不動産投資信託の上昇率が目立ちます。
その背景として、昨年3月中旬から4月上旬にかけてFedが打ち出してきた一連の金融緩和政策は記憶に新しいですが、量的金融緩和策により、金融市場に250兆円超の流動性資金が流れ込みました。
住宅ローン系上場不動産投資信託のなかで、いわゆるエイジェンシー型住宅ローン系上場不動産投資信託の投資対象が、Fedの買い取り対象としていたMBSであるため、それらを投資対象にしていない住宅ローン系上場不動産投資信託は売りを浴びせられ、いくつかの銘柄は一時的に破綻状況になりました。
一方で、主にMBSを投資対象にしていなかったハイブリット型住宅ローン系上場不動産投資信託はこの1年で金融正常化により上昇しました。
アナリー・キャピタル社「驚異の業績回復」の実際
それでは、エイジェンシー型住宅ローン系上場不動産投資信託の代表的な銘柄であるアナリー・キャピタル社(テッカー‘NLY‘、本年3月時点の時価総額:121億米ドル)の業績回復ぶりを見ていきましょう。