米4月雇用統計は予想下振れに…「mREIT株価」への影響は?

米国商業不動産担保付証券(CMBS)、高利回りコーポレート債券(HYB)及び融資債権のクラス別証券化(CLO)等の延滞状況は、米国内のワクチン供給加速により改善しています。今回は株式会社エー・ディー・ワークスの小川謙治氏が、米国不動産担保付ローンをベースとした上場不動産投資信託(モーゲージREIT[mREIT])、特に住宅ローン系上場不動産投資信託の現状について考察します。

金融緩和策の影響で「ハイブリット型」の上昇率目立つ

政府系住宅金融機関であるフレディマック社/ファニーメイ社が、住宅ローンを民間金融機関から買い取る資金を調達するために自ら発行する、住宅ローン担保証券(RMBS/MBS、これらの証券は米国債とともに米国連邦準備制度理事会[Fed]による量的金融緩和の買い取り対象)があります。

 

現在米国で上場している住宅ローン系上場不動産投資信託は20銘柄ありますが、それらの時価総額合計は、本年3月末時点で431億米ドル、前年同月比55%の増加となりました。特に、ハイブリット型住宅ローン系上場不動産投資信託の上昇率が目立ちます。

 

その背景として、昨年3月中旬から4月上旬にかけてFedが打ち出してきた一連の金融緩和政策は記憶に新しいですが、量的金融緩和策により、金融市場に250兆円超の流動性資金が流れ込みました。

 

住宅ローン系上場不動産投資信託のなかで、いわゆるエイジェンシー型住宅ローン系上場不動産投資信託の投資対象が、Fedの買い取り対象としていたMBSであるため、それらを投資対象にしていない住宅ローン系上場不動産投資信託は売りを浴びせられ、いくつかの銘柄は一時的に破綻状況になりました。

 

一方で、主にMBSを投資対象にしていなかったハイブリット型住宅ローン系上場不動産投資信託はこの1年で金融正常化により上昇しました。

 

いくつかの銘柄は一時的に破綻状況に(画像はイメージです/PIXTA)
いくつかの銘柄は一時的に破綻状況に(画像はイメージです/PIXTA)

アナリー・キャピタル社「驚異の業績回復」の実際

それでは、エイジェンシー型住宅ローン系上場不動産投資信託の代表的な銘柄であるアナリー・キャピタル社(テッカー‘NLY‘、本年3月時点の時価総額:121億米ドル)の業績回復ぶりを見ていきましょう。

 

株式会社エー・ディー・ワークス 金融商品開発部 ディレクター

一橋大学経済学部卒業。
東京銀行(現三菱UFJ銀行)開発金融部海外不動産グループ(米国担当2年半)、ユニオンバンク(7年加州駐在)にて、不動産を中心とした開発金融・アドバイザリー業務を経験。
2000年に退職後、ローンスターファンド・ラサールインベストメント等の外資系投資ファンド・日系投資会社、ブルックス・グループ、クラウドクレジットで、不良債権・再生・不動産・未公開企業等のオルタナ投融資の実績と経験。
2018年12月より、エー・ディー・ワークス 海外事業部にて新事業領域の開拓に着手。

著者紹介

連載集積するイノベーション産業と頭脳――米国シリコンバレー不動産投資の最新事情

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