2021年度の米国不動産市場「戸建てブーム」さらに過熱か?

新型コロナウイルスの感染拡大により、在庫不足が続いているアメリカ不動産の「戸建て市場」。株式会社エー・ディー・ワークスの小川謙治氏は「今後、在庫不足や戸建て購入ブームが過熱する可能性がある」と述べています。今回は過去のデータから、アメリカ不動産の「戸建て市場」について見ていきましょう。

「米国の戸建て市場」で続く、流通在庫不足の背景

新型コロナ禍の米国の戸建て市場は、流通在庫不足によってタイトな状況が継続しています。米戸建て売買中間価格は上昇傾向にありますが、2021年1月には前年比11%と、さらに大きく上昇しました。

 

2021年も「戸建て不足」続く…(画像はイメージです/PIXTA)
2021年も「戸建て」不足続く…(画像はイメージです/PIXTA)

 

また、リスティング市場での滞留日数が短縮しています。この背景には流通在庫が半減したことがありました。2021年1月時点で、流通在庫は32.5万戸となりました。特にこの1年間のコロナ禍で戸数が減少してしまったのです[図表1]。

 

[図表1]全米戸建て住宅/流通在庫推移

 

この背景には、

 

①ミレニアル世代(1989〜93年生まれ)の持ち家比率の大幅増加

②2010年以降の戸建て供給不足の継続(全人口比戸建て供給数が5〜6%〈1990〜2010年〉から3%まで低下/半減)

③住宅ローン金利低下(低下幅約1%)による住宅需要の増加

④3密回避での在宅勤務浸透による「都心型アパート」から「郊外型戸建て」の人気上昇

⑤戸建て賃貸業者による割安戸建て賃貸需要の後押し

 

等がありました。

 

戸建て分譲業者にとって、業績を左右する要因としては、5つのL(Lending〈融資環境〉、Lumber〈木材価格〉、Labor〈人件費〉、Land〈土地代〉、Legislation〈税制/法制度〉)が挙げられるでしょう。2019年以降この5つのLに追い風が吹いていましたが、市場関係者は、2021年も同様の環境が概ね継続すると見ています。

 

株式会社エー・ディー・ワークス 金融商品開発部 ディレクター

一橋大学経済学部卒業。
東京銀行(現三菱UFJ銀行)開発金融部海外不動産グループ(米国担当2年半)、ユニオンバンク(7年加州駐在)にて、不動産を中心とした開発金融・アドバイザリー業務を経験。
2000年に退職後、ローンスターファンド・ラサールインベストメント等の外資系投資ファンド・日系投資会社、ブルックス・グループ、クラウドクレジットで、不良債権・再生・不動産・未公開企業等のオルタナ投融資の実績と経験。
2018年12月より、エー・ディー・ワークス 海外事業部にて新事業領域の開拓に着手。

著者紹介

連載集積するイノベーション産業と頭脳――米国シリコンバレー不動産投資の最新事情

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