野村総合研究所の調べによると、金融資産を1億円以上保有している「富裕層」は全国に132.7万世帯いると言われています。今回は、富裕層のお金を預かって資産運用をしている現役ファンドマネージャーの塚口直史氏が、富裕層が旅行をしたり遊んだりしているときに何を考えているかを解説します。※本連載は、同氏の著書『世界第3位のヘッジファンドマネージャーに日本の庶民でもできるお金の増やし方を訊いてみた。』(朝日新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

富裕層が「日本円」の他に「海外分散投資」をする理由

◆富裕層が意識する海外分散投資

海外に目を向けて投資を考えていらっしゃる富裕層の多くは、「やっぱり円だけ持っていて大丈夫なんですか?」という疑問を持っています。だったら分散して、海外の資産にも投資をしておこうという話になります。

 

日本は地震が起きるし、これからアメリカだけに頼っていける時代でもなくなるわけですから、色々な国に分散しておこうというモチベーションになります。自分の職場は日本、持っているのも円預金や日本の不動産、というように全部日本に集中していたら、何か起きたときにすべてやられることだってあるわけです。

 

◆なぜ海外に目を向けた資産運用が必要かというと、分散投資をしておいたほうが将来の心配が減るからです。

 

将来の心配でいうならば、日本国家が破たんしないとも限りません。ロシアでは通貨ルーブルが2回紙切れになっています。ロシア人は、それによって生活が天と地の差ほど変わりました。ルーブルの価値が1万分の1になって、本当に生活が劇変したのです。

 

昨日まで普通に生活していた101号室の奥さんと102号室の奥さんがいて、たとえば一方はルーブルだけしか持っておらず、もう一方はドルとルーブルを半分ずつ持っていたとしたら、これだけでドルを持っていた奥さんは億万長者になっているわけです。

 

【KEY】
日本に全部1点掛けをすると、まさかのときに困るので、海外の色々な国に資産を分散すべき

 

塚口 直史

欧州系投資顧問会社プラスプラスグループ代表取締役/運用統括責任者

グローバルマクロ戦略ファンドマネージャー

 

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世界第3位のヘッジファンドマネージャーに日本の庶民でもできるお金の増やし方を訊いてみた

世界第3位のヘッジファンドマネージャーに日本の庶民でもできるお金の増やし方を訊いてみた

塚口 直史

朝日新聞出版

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