富裕層は「節税目的」で銀行からどんどん借金をする
億万長者や資産家は使える現金がたくさんあるから、借金という世界とは無縁とお思いではないでしょうか? 実際はまったく反対で、お金持ちほど借金を好む性格が強いです。
富裕層は現金を持っておきながら、何か買うときにはなるべく借金をしようとします。自分のお金は一切使いたくない、貯めに貯めておきます。一方で、銀行から借金をしまくるんです。何を買うかというと、リースなどで実益があるもの、たとえば不動産や飛行機、船舶なんかです。
これらは資産としてキャッシュを生み出しますので、それで借金の金利が払える。そのうえに節税ができるわけで、税金を納めないで済む分、自分に現金が残ります。
要するにお金持ちは、税金を納めたくないくらいの収益をどこかで生み出していて、それに対して自分のお金を使わずに借金で何かの資産を買い、そこで発生するコストで収益と相殺させて節税をするんですね。そうするとものすごいペースで現金が残っていきます。
たとえば、令和2年の税制改正で国外の中古不動産取得による減価償却費の損益通算は認められなくなりましたが、それ以前は、アメリカ不動産を活用した税金対策が人気でした。
日本の税制では、築22年超の木造住宅は「4年間での償却」が認められており、たとえば建物部分が4000万円の物件を購入すれば、単純計算で1年あたり1000万円の償却コスト(4000万円÷4年=1000万円)を取り込むことができたからです。
ざっくりと他の収益が1000万円あった場合、このコストと相殺して、収入がゼロということに見せることができました。
そしてアメリカがなぜ選ばれていたかというと、アメリカは建物価値が高く評価されるからです。5000万円の不動産があったとして、およそ8割が建物、2割が土地というように、建物により価値がおかれるのがアメリカです。日本は反対に、土地のほうに価値がおかれるため、建物の償却を狙った節税が難しかったのです。
以上を簡単にまとめると、銀行から借り入れをしてアメリカの不動産を買う、それによって償却コストを4年間取り込み、本来支払うはずだった税金分を手元に残す。5年以上保有すると不動産譲渡税が約39%から約20%に優遇されるので、6年目以降にその不動産を売却する、このようになっていました。
ちなみに、税制改正はあくまでも個人を対象としているので、法人で海外不動産を所有する場合は、従来通り減価償却費を計上可能です。法人を設立したうえで海外不動産を購入する形になります。
しかし、この手法にもカラクリがあり、法人の場合は、減価償却費計上は税金の繰り延べに過ぎず、税金を全く払わなくて済むようにはできません。税金を繰り延べ続けるためには、減価償却費を計上し終わったタイミングで物件を買い替え続ける必要があります。またはオペレーティングリースなどの別の節税手法を使うという、法人に赤字が出るまでの終わりのない戦いにつながっていくのです。
このようなやり方をしていれば、借金は恐いなんて発想にはなりませんよね。まるで野菜をスーパーで買うように、不動産や飛行機を買っていくわけですから。
この行動から普通のサラリーマンが得られるアイディアとしては、なるべく経費になるようなものを多く持つ、ということは考えられます。スーツやバッグは経費として認められて、申告すれば税金が還付されるはずです。
あとは外資系銀行で働いていて副業がOKという人に限られますが、自分で大家さんをやっているケースがあります。給料が数千万円ありますので、銀行からの借り入れも億単位で可能ですから、それでマンションを数棟買うということです。
さらに配偶者がいれば、資産管理会社を設立してその配偶者を代表にして役員報酬を払い、自宅(借家)の一部を事務所として賃料などを会社の経費扱いにし、不動産事業を手広くやるサラリーマン大家さんもいると聞きます。
お金を生み出す資産を買うときには現金ではなく借金で買い、自分の現金は使わない。
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