野村総合研究所の調べによると、金融資産を1億円以上保有している「富裕層」は全国に132.7万世帯いると言われています。今回は、富裕層のお金を預かって資産運用をしている現役ファンドマネージャーの塚口直史氏が、富裕層が旅行をしたり遊んだりしているときに何を考えているかを解説します。※本連載は、同氏の著書『世界第3位のヘッジファンドマネージャーに日本の庶民でもできるお金の増やし方を訊いてみた。』(朝日新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

富裕層は最もコストパフォーマンスが高いやり方を選択

筆者は富裕層のお客様に対するビジネスをやっていますので、実際にそういった方々のニーズをご紹介してみたいと思います。

 

図のように、金融(事業や投資などお金にまつわる一切を含む)とエンターテイメント(趣味などを含めた人生を豊かにする娯楽、エンタメ)という軸で4つに分けたときに、富裕層の関心事と思われる運用は「金融・非エンタメ」という部類に入ってきますが、実はそれだけではないんですね。

 

 

たとえば、エンタメで非金融という話になると「旅行」が入ってくるわけです。そして非エンタメかつ非金融になると「医療」や「教育」が入ってきます。ご自身やご家族の健康を考えたり、あとはお子様の進学を気にします。

 

これらは実益がある投資というよりは、見えない投資、あるいは将来のための投資といっていいかもしれません。

 

旅行については、単純に遊びに行くということもあるとは思いますが、ビジネス視察というかたちでご自身の事業につなげることや、あるいはお子様の留学先としてもみていたり、場合によっては海外の不動産や何か資産に投資をすることを目的とするケースもあります。医療のため、という場合もあるでしょう。

 

残るは「金融でかつエンタメ」ということですが、これは節税が入ってきます。飛行機や船を買って航空会社などにリースしたり、マンションなんかは節税対策として結構身近です。ここまで書くとおわかりの通り、すべてがつながっているのです。

 

留学先を探すためにヨーロッパに旅行にでかける、その先で何か事業ができるかもしれない、会社を買収するかもしれない、あるいは不動産投資を考えるかもしれない。すべてがリンクしています。

 

遊びながら投資先も探しているし、健康でなければそもそもご自身がされているビジネスにも支障が出て実益である運用に失敗します。このマップを網羅的に達成されているが故に、どんどん豊かになっていきます。カラフルな人生をこのように楽しんでいきたいという超富裕層のニーズがあります。

 

◆まずは資産運用でミリオネアを目指す

 

運用で資金が増えると、節税の方が活性化していく、そのために海外に行くことも多くなる。海外に行くなら楽しみたいのでリゾートマンションやクルーザーを買う人もいれば、せっかくなのでここで事業をやろうという人もいたりする。お子様を留学させようと思う人もいらっしゃいます。

 

ここまで行くと、ビリオネア(10億円)の資産がないと難しいかもしれませんが、まずはミリオネア(1億円)を目指すために、資産運用を始めよう、ということなんですね。

 

そしてミリオネアになったら、運用だけじゃなくて、その他の領域に入って自分の満足度合いを高めていき、全部満足できたらビリオネアの世界に入ったと言えると思います。

 

そしてこの図の中心にあるのが「情報」です。富裕層の方々は、それぞれの領域に関して、本当によく調べていらっしゃいます。

 

たとえば、世界のあちこちに投資をされている富裕層の方は、ご自身のビジネスもあって多忙ですので、一度海外視察に行かれる際はそれこそ世界一周をされますが、そのときにフライトチケットはこのルートでこの航空会社を使っていくならスカイチームの世界一周航空券「Go Round The World PASS」が割安だ、といったことをお考えになります。

 

お金持ちほどいろいろ調べて、一番コストパフォーマンスが高いやり方を選択されるのです。

 

【KEY】
お金持ちほど、そのお金が何につながるのか、使うときのコストパフォーマンスを調べている。

 

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世界第3位のヘッジファンドマネージャーに日本の庶民でもできるお金の増やし方を訊いてみた

世界第3位のヘッジファンドマネージャーに日本の庶民でもできるお金の増やし方を訊いてみた

塚口 直史

朝日新聞出版

マイナス金利や人口減少による社会保障・年金不安で個人がお金のリスクをとらなければならない酷な時代がそこまで来ています。 本書は、元銀行員や経済評論家といったコメンテーターではない、グローバル市場で累計運用総額…

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