人生100年時代に突入し、AIやITといった最新テクノロジーや多様化などによって複雑化していく問題に対処するためには「管理」を通じて得られるスキルが必要である。株式会社アセントデベロップメントサービスの取締役副社長兼開発本部長である冠和宏氏は書籍『管理職魂』のなかで、管理職に求められる「ロジカルシンキング」について語っている。

「最後には私が責任を取る」という管理職の詭弁

トップダウンという言葉が良い意味でも悪い意味でも使われている。良い意味では、トップの方針がしっかりとした戦略の下で、リーダーシップを発揮することとして使われる。

 

悪い意味で使われたときは、「勝ち目はないけど、この方針に乗っかってくれ。ダメだったとしても諦めてくれ」と言っているのと同じことだと思う。特攻隊に入隊させられた人は、可哀想だったのか、それとも自分を放棄したのか、私にはわからないが、危ない決定をする組織にしがみついている必要はないと思う。

 

「最後には私が責任を取る」という言葉がある。誰も起きてしまったことや時間を元に戻すことはできないから、あれは詭弁であると思う。十分に検討し尽くしたのであれば、仕方ないと思えることもあると思うが、そんな検討はほとんどなされていないのではないだろうか。

 

例えば、政治家や経営トップが「責任を取って辞める」というのがあるが、あれは単なる「リセットごっこ」でしかないと思う。

 

誰がそんな決断を受け入れるのであろうか。能力が足りないから、早めに交代させるということであれば、納得してくれる人も増えるだろうが、本当に国会中継で映されているような状況が存在するのであれば、どんなタレントでも「能無し扱い」され、魔女狩りの対象になり、結局は意気消沈してしまうのではないだろうか、と思うことがある。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『管理職魂』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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