日本でビジネスを展開する外資系企業。日本に対してどのような魅力を感じて進出をしているのでしょうか。またどのようなことに不満を抱いているのでしょうか。外資系企業の“本音”を見ていきます。

外資系企業に聞いた「日本の魅力」

経済産業省による『第54回外資系企業動向調査(2020 年調査)』では、2808社の外資系企業が回答。母国籍別にみると、欧州系が42.6%(1197社)、アジア系が29.3%(822社)、北米系が21.6%(633社)で、常時従業員数は51万人強でした。

 

これらの企業は、日本に何を魅力を感じ、ビジネスを展開しているのでしょうか。最も多い回答が「マーケットの大きさ」に対するもので6割強。またビジネスをするうえでの「インフラの充実」が5割弱。また流行等にも敏感な国民性も同様に評価されています。

 

■外資系企業「日本で事業展開する上での魅力」は?

 

[1位]所得水準が高く、製品・サービスの顧客ボリュームが大きい

61.0%

[2位]インフラ(交通、エネルギー、情報通信等)が充実している

47.6%

[3位]製品・サービスの付加価値や流行に敏感であり、新製品・新サービスに対する競争力が検証できる

47.3%

[4位]グローバル企業や関連企業が集積している

36.8%

[5位]生活環境が整備されている

34.8%

[6位]有能な人材の確保ができる

23.9%

[7位]アジア市場のゲートウェイ、地域統括拠点として最適である

19.8%

[8位]本社や管理対象国へのアクセス等、地理的要因に恵まれている

18.2%

[9位]資金調達など金融環境が充実している

13.1%

[10位]研究開発環境の質が高い

10.4%

日本で事業展開する上で「阻害要因」となるのは?

また日本でビジネスを展開するうえでハードルになっていることは、人件費や税負担等の「ビジネスコストの高さ」を指摘する企業が最も多く、75%にも上ります。また「人材確保の難しさ」を挙げる企業が5割強、「市場の閉鎖性」「要求水準の高さ」を挙げる企業が4割強となっています。

 

■外資系企業「日本で事業展開する上での阻害要因」は?

[第1位]ビジネスコストの高さ(人件費、税負担、不動産等)

75.1%

[第2位]人材確保の難しさ(管理職、技術者、語学堪能者、一般労働者等)

53.6%

[第3位]日本市場の閉鎖性、特殊性(系列取引の存在、人的コネクション、市場に関する英語情報の不足、商習慣等)

45.2%

[第4位]製品・サービスに対するユーザーの要求水準の高さ(品質、納期、価格等)

44.3%

[第5位]行政手続きの複雑さ(申請から認可までの期間の長さ、手続きの煩雑さ等)

40.5%

[第6位]規制・許認可制度の難しさ(法的規制、商品の規格・検査等)

39.3%

[第7位]優遇措置・インセンティブが不十分(税制上の特典、利用できる補助制度の不足等)

18.7%

[第8位]外国人の生活環境 (学校、病院等外国人の受け入れ体制、生活習慣の違い等)

12.2%

[第9位]ビザの取得の難しさ(在留資格が不明確、就労ビザ・家族滞在ビザが取得しにくい等)

7.0%

[第10位]資金調達の難しさ(融資条件の厳しさ、資金調達にあたっての制約等)

6.7%

 

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