歯科医院は「スリッパをやめる」だけでも患者が増える (※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省が実施している医療施設動態調査によると、2018年から2019年にかけて開業した歯科医院は1500施設ほど。その一方で廃止・休業した医院もまた1500施設ほどあり、全体の増減数をみると廃止・休業がやや上回っています。かつては「開業すれば何もしなくても儲かる」と言われていた歯科業界ですが、人口減少により患者が減り続けるなかでは、経営力なくして生き残ることはできません。医院を成功させるためにはどうすればよいのでしょうか? 他院と差別化を図れる「身近なポイント」を見ていきましょう。

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「叔父の歯科医院」を居抜き開業したら…

歯科医院には、いろいろな成功パターンがあります。まずは自己満足であっても、自分の考える成功パターンをいち早く明確にして、その成功を目指すことが大切だと思います。

 

私が考えた成功パターンは、「多くの人が自分たちの医院に足を運んでくれて、保険であれ自費であれ、その人の望むベストの治療を施す」というものでした。

 

そのために大切なのは差別化です。自院の売りをつくること。漫然と歯科医院を開業するのではなく、何を特徴とするのか。そこが重要だと考えました。

 

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私が最初に開業した医院は、もともとは叔父が経営していた医院でした。ただ、私が引き継ぐ15年ほど前に叔父は亡くなっていて、その後、いろいろな人が入れ替わり立ち替わりその歯科医院を担っていました。

 

私は勤務医をしていて、少なくともあと1年は修業をしようと思っていたのですが、当時、「引き継いでもらえないだろうか?」と声を掛けられました。

 

母親も当時65歳で歯科医でしたが、歯科医院の難しさは分かっていたので「無理にやる必要はない」と言われました。迷いましたが、私も開業は目指していたので、勤務先の法人の理事長にも相談しました。すると、「何かあれば助けるから、思い切ってやってみればいい」と背中を押され、それまで学んだことを見様見真似でやってみようかと思ったのです。そのため、ほとんど居抜きでその歯科医院を引き継いだのです。

 

ところが、蓋を開けてみると、事務的引き継ぎもなし、患者さんほぼゼロ、スタッフゼロ、売上は聞いていた額よりも大幅に少なく、建物も備品もボロボロでした。

 

私も計画性のない開業だったので、貯金もあまりなく、なんとか紹介で安い業者さんに頼んで最低限の準備をして、掃除も友人などに手伝ってもらってなんとかオープンにこぎつけました。

 

スタッフの募集も行いましたが、唯一面接に来て採用を決めた人も、オープン前日の夜まで打ち合わせをしたにもかかわらず、当日には出勤してこないというありさまでした。それでもなんとか、よちよち歩きのようにして、始めたのです。

「お金を掛けないマーケティング」で集客効果が倍増

そんなときに、一つのセミナーに出会いました。「内部マーケティングと外部マーケティング」についてのセミナーでした。

 

セミナーはマーケティングの話だったのですが、タイトルの「内部」と「外部」とは内向きと外向きという意味ではありません。外部マーケティングは広告とかセールスプロモーション、ホームページなど、お金を掛けたマーケティングのことで、内部マーケティングはお金を掛けないマーケティングのこと。接客態度、電話応対などの向上、お客さまを迎える気持ち、心掛け、真心といったものです。

 

そのセミナーで学んだことは、外部マーケティングよりも内部マーケティングが大事であるということ、そして、内部マーケティングを向上させるためには、挨拶や掃除という当たり前のことがとても大切だということでした。

 

歯科医院の多くも、外部マーケティングには力を入れています。テレビ広告などを打てるところはほとんどないとはいえ、少なくともホームページやブログは当たり前になってきています。ところが、内部マーケティングに関してはまったくできていない医院も多いのです。

 

そのセミナーでのいちばんの衝撃は、内部マーケティングをしっかり行っていると、外部マーケティングの効果が3倍にも4倍にもなるということでした。

 

ポイントは極めてアナログな、当たり前のことです。ですが、それがほとんどできていないのです。つまり、真心をもって患者さんに接することができていないということです。挨拶にしても、電話応対にしても、掃除にしてもそうです。治療だけを本分としてはいけないのです。

 

何よりもまず、居心地の良さ、入った瞬間の感じの良さ、最後まで裏切らない温かさ。そうしたホスピタリティこそが最大の差別化になるのです。

 

私は機会を見つけては積極的に何人もの経営者、またベンチャーキャピタリストなどとお近付きになり、彼らの考え、心意気を貪欲に吸収しました。「歯医者である前に経営者」とまではいいませんが、私にとって歯医者と経営者は同時進行の役割だったのです。

 

最初に決めたことは、ワンチーム、ワンボイスという理想でした。そして、究極の目標も掲げました。それは、医療もまたサービス業であるという前提に立ち、患者さんはお客さまであるという考えに則って医院を運営していくということです。

 

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内部マーケティングの土台となる「コンセプト」を決定

叔父から引き継いだ歯科医院の患者数は、最初はせいぜい1日5人程度でした。

 

最初は受付と助手の3人で始めました。現状を皆でしっかりと把握して、厳しい現実に向き合って、どうしていったらいいかを話し合いました。こちらの話すことをよく分かってくれて、まさに仲間を得た想いでした。

 

この時、気づきがありました。それは「法人理念」を決めるということです。それが「患者さん一人ひとりとの関係をつくる」で、これは今に至る佑健会のコンセプトです。

 

患者さんが来たいときに気軽に来られて、帰っていける病院であり、「この病院に来て良かったな」、その先、「もっと早く来れば良かったな」と思ってもらえる、そんな感動を与えられる歯科医院になること。そのためにはまず、笑顔と真心ではどこにも負けない明るい病院であること。

 

そうした理念を全員が一点の曇りもなく心に刻み、業務をしていくことをまず徹底しました。そのうえで内部マーケティングに移ったのです。

 

内部マーケティングでは何を行うのか。どこに留意するのか。その点については私がすべて決めて、それをスタッフに指示していくという方法を採りました。少なくとも最初はリーダーが率先垂範で何事も行い、その背中を見せることが大切なのです。古いやり方に聞こえるかもしれませんが、そのことに新しい、古いは関係ありません。

 

内部マーケティングがスタッフにも浸透してくると、次に私は外部マーケティングにも力を注ぎ始めました。まずはホームページの制作です。そして、少し貯まった資金で身の丈の設備投資もしていきます。

 

最初から分院展開するつもりだったわけではありません。将来的に分院を実行するとしても、最初の医院が成功しなかったら、どんなに頑張ってもその先はないと思っていました。とにかく開業して4年ほどは、この医院、今となっては発祥の地である医院を地域一番の歯科医院にすることだけに注力しました。

 

歯科医院としてやっていくため、ほかとの差別化が必要であることには早くから気づいていました。ただ、差別化ばかりに気を取られて目新しいことに飛びつくのは考えものだとは思っていました。まずは足元を固めることから始めたのです。

今から開業する人でも「勝てる要素」はこんなにある

たとえ親の医院を引き継ぐ、新規開設でないとしても、自院のコンセプトは改めて決めるべきです。そうでなければ自分がその医院を経営する意味がありません。どんな歯医者になりたいのか、ということです。

 

私の場合は叔父の医院を継ぐかたちでしたが、今から開業しようとしている人で、大人向けの矯正やインプラントに特化した歯科医院を出したいという場合は、地域特性も考慮しなくてはいけません。場所もターミナル駅の近くなどの好立地の場所でないと難しいでしょう。

 

それこそファミリー向けか、郊外店舗か。人通りの多寡を確認し、競合の状況を調査し、一般診療でいくのか、矯正やインプラントなどの専門でいくのか、組み合わせるのかを決めることも重要ですし、キャパを考える必要もあります。

 

まず一般的な立地条件としては、通り沿いを選ぶのが得策です。その先にタワーマンションがあって帰る人が多いとか、駅に近いとかです。近くに銀行があるというのも大事なポイントです。ちなみに、歯科医院として必要なお店があるというのも重要なポイントです。銀行のほか、花屋や文房具店、コンビニなども欲しいところです。

 

加えて、やはり1階に限ります。医療モールであれば何階でもいいのですが、例えば1階のテナントに居酒屋などが入っている3階、4階などは厳しいと思います。あるいは、路面店であっても昼間でも暗い道に並んでいるテナントなども避けるべきです。

 

医療圏調査の業者が提供してくれるデータは、単にその地域の人口を歯科医院の数で割っただけのものです。それに基づいて、1医院あたり何人の患者が来るかを予想するわけですが、これだけですべてを判断することはできません。むしろ気にすべきはどういう形態の歯医者が多いのかという点です。

 

古くからの歯医者が多いところも狙い目です。市場はあるけれど、勝てる要素が必ず見つかるからです。

 

例えば古い歯科医院の場合土足でそのまま入れる医院は少なく、靴を脱いでスリッパに履き替えなくてはいけない医院がまだ多く残っています。そういう地域で土足のまま入れる医院にするだけでも差別化になります。気軽だからです。

 

ほかにも、歯並びの矯正などで子どもに特化した歯科医院や、予防歯科に力を入れている歯科医院が少ないならば、そこが狙い目になります。見た目でいえば、きれいで新しい歯科医院がその地域に少ない場合も差別化のチャンスです。

 

 

河野 恭佑

医療法人社団佑健会 理事長

株式会社デンタス 代表取締役社長

 

 

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医療法人社団佑健会 理事長
株式会社デンタス 代表取締役社長 

2009年に東京歯科大学卒業、東京歯科大学千葉病院に勤務。

現在までに25医院を開業し、分院展開。

専門医、技工士、歯科衛生士、スタッフと連携を取るチーム医療を強みとし、患者にとって最善・最適な治療をするため日々研鑽している。

著者紹介

連載歯科医院革命~大廃業時代の勝ち残り戦略

※本連載は、河野恭佑氏の著書『歯科医院革命 大廃業時代の勝ち残り戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

歯科医院革命 大廃業時代の勝ち残り戦略

歯科医院革命 大廃業時代の勝ち残り戦略

河野 恭佑

幻冬舎メディアコンサルティング

コンビニエンスストアを1万軒以上も上回る歯科診療所の施設数。 一方で少子化によって患者は年々減少し、過当競争が激化しています。 年間で1600軒もの施設が廃業し、「大廃業時代」といわれる歯科業界で生き残っていく…

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