法則があった…3月と7月に「歯医者さんの患者が増える」理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

患者の奪い合いが激化している歯科業界。せっかく新しい患者を獲得しても、気付けばフェードアウトしていたというケースも少なくありません。意識せずとも患者が激増する「強い医院」を作り上げるには、どうすればよいのでしょうか。わずか5年間で25医院を開業した河野恭佑氏が解説します。

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実は「患者が自然と増える月、減る月」がある

1年のサイクルを知ることが重要です。患者さんが自然と増える月(強い月)と減る月(弱い月)が決まっているということです。

 

ずばり、強い月は3月、7月、10月~12月です。3月はまず31日ある大の月です。加えて期末で春休みがある。だから会社員の方など、ここまでに終わらせてほしいと思う人が多い。さらにお子さんが家にいる時間が長い。7月は夏休み。

 

10月から12月は年末に向かって治療をしておこうと思い立つ期間です。

 

逆に弱い月、つまり患者さんが増えにくい月は1月、2月、5月、8月です。1月は正月休みで、2月も28日で日数が少なく、しかも年始だからあまり動きたがらない。歯のケアなどはおろそかになってしまうものです。5月はゴールデンウイーク、8月はお盆休みが入る。

 

残りの4月、6月、9月は増えもしないけれど、減りもしない月です。

 

ここで大事なのは、そもそも強い月に頑張るのではなく、弱い月に患者さんを減らさないように努力することです。それができる医院が強い医院です。

 

これを私は最初にスタッフに教えます。減る月で減らないようにする。この法則を知らないと、ずっと増えたり減ったりする落ち着きのないグラフになってしまい、疲弊してしまいます。

 

そうではなく、弱い月になんとかキープするようにできれば、強い月には意識せずにやっていても大きく増え始めるものなのです。そうすれば右肩上がりのグラフになります。強い医院になります。弱い月に減らさないためのミーティングを3ヵ月くらい前から常に行って、対策していくことが大切です。

レセプトの仕組みがわかれば、弱い月でも「勝てる」

医院の経営で、レセプトほど大事なものはありません。レセプトを知らないドクターはいません。しかし、深く理解しているかどうかは別問題です。

 

ここに3人の患者さんがいます。Aさんは1月に3回来院されました。Bさんは1回で、Cさんも3回来院されました。来院人数は延べなので7人です。

 

レセプトのほうは、3人なので3枚です。実は、来院人数よりも、このレセプトの枚数が経理上重要なのです。この枚数を上げていくことで病院経営は成り立っていくのです。

 

もちろん、来院人数が多くなれば、必然的にレセプトの枚数も増えていきますが、そこにはコツも必要になります。それこそ、予約日をどうマネジメントしていくのかということと大きくかかわってきます。

 

ここは、早いサイクルで回数を稼ぐということと矛盾する可能性もあるのですが、その場合は、来ていただく回数をさらに増やすか、月の後半であれば、少しだけ期間を調整することで成り立っていきます。

 

どういうことかというと、Aさんは1月10日が初診で、来院回数は3回です。小まめに、という考えだと1週間に一度の診療が基本になるので、17日、24日で終了です。しかし、レセプトの仕組みを知っていれば話は変わります。

 

17日の次に、24日ではなく、少しうしろにずらして2月1日に予約を入れてもらいます。すると、月をまたぐので、レセプトは2枚になるのです。

 

「次、いつ来られます?」と聞いて「じゃあ、来週ね」。「来週ちょっといっぱいなんですよ。2週間後ではだめですか?」「全然いいですよ」。

 

これを全員にやっていきます。もちろん、それでは都合が悪い人、本当にもっと早く来てもらいたい人は当然別です。その調整で問題ない人だけが対象です。例えば、調整の結果、次の月にずらせた人が10人いたとすると、レセプトが10枚ストックされた状態で次の月にいくことができます。これを知っているのと知らないのとでは、1年後に何百枚というレセプトの枚数の違いになるのです。

 

都合が良く、次週になっても問題ない人にとっては、むしろ毎週来なくて済むというのは悪いことではないはずです。患者さんにも悪い話ではないということが当然重要です。

 

例えば3回の治療計画で、10日後、2週間後というのは自然です。そこを計画的に差配するわけです。

弱い月こそ「レセプトを増やすマネジメント」が重要

レセプトを意識したアポ取りを、強い月、弱い月と合わせてマネジメントしていきます。例えば、ある分院で8月のレセプトの枚数が250枚で9月に入りました。その場合、9月は落としてもマイナス10枚以内でキープしてくださいとはっぱを掛けます。それができれば、10月から12月は強い月ですから、一気に業績は上がります。そういうふうに弱い月でキープできるところは絶対に強いのです。そのためのミーティングをしっかり行います。

 

もっとも、10月になってももちろん手を抜いてはいけません。年末は飛び込みを含めて新患が増える月なので安心なのですが、そこで皆終わりにしたら年が明けた途端、ストックがゼロになってしまいます。なんとか年末までの勢いを、1月につなげなくてはいけません。そのためにはできる限り、治療している患者さんを12月で終わりにしないことです。1月にまたがることができれば、そこでレセプトの数が落ちずに済みます。そういうことを1年間繰り返していきます。もう一つの指標は前年同月比です。そこで過去の自院に負けないように頑張るのです。

 

最初の医院では、5年掛かりましたが、最初50枚だったレセプトを月間1000枚まで増やすことができました。ある患者さんの治療が終わっても、新患がやって来ます。ただ、新患が20人で、治療が終わる人が20人ならばプラスマイナスゼロで業績は変わりません。そこで、可能な患者さんは次月まで治療や診療を延ばす。終わりが15人ならば、5人増えます。そういうイメージです。その先につながるのがリコールです。3ヵ月で15人中、何人戻ってきてくれるか。大切なのはリコールと、初診のバランス。そして終了とのバランスです。

 

リコールの患者さんを増やすには、例えば、来院された目的である虫歯を治して終わりではなく、定期健診に来るべき必要性をしっかりと説明して、メンテナンスにもっていくというマネジメントが必要です。虫歯1本の治療でも口の中を全部診られるチャンスですから、しっかりと診て、計画を立てて説明するようにします。

 

場所も良く、そのうえでこうしたマネジメントを徹底できれば、必ず繁盛する歯科医院になれます。肝はレセプトです。例えば、いちばん良い患者さんはお母さんとお子さん2人などです。この場合、アポイントの入れ方が午後2時、2時半、3時とあるとしたとき、2時に3人まとめて取る人もいますが、私は時系列で縦に予約を入れてもらいます。お子さんの状況説明をお母さんにしたいので、必ず小さい年の子から入れていきます。それは小さい子は待てないからです。だから5歳、7歳、お母さんとすれば、その順番に予約を入れます。こうすれば交代、交代、交代という診方ができます。まず5歳児、次に7歳児。最後にお母さんを診ているときは2人で待ってもらいます。いちばん安心な状態だと思います。

 

レセプトのほうは、この親子が例えば4月10日に初診で訪れたとします。3回掛かるとして、5月15日、6月1日などに予約を入れます。そうすると、レセプトは3人で3枚ずつ、合計9枚になるわけです。こううまくいけば最高です。

 

こういうことをすべての患者さんについて考えます。極論すれば、この循環がうまくいけば、新患の数が少なくても、十分にやっていけるわけです。

 

 

河野 恭佑

医療法人社団佑健会 理事長

株式会社デンタス 代表取締役社長

 

 

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医療法人社団佑健会 理事長
株式会社デンタス 代表取締役社長 

2009年に東京歯科大学卒業、東京歯科大学千葉病院に勤務。

現在までに25医院を開業し、分院展開。

専門医、技工士、歯科衛生士、スタッフと連携を取るチーム医療を強みとし、患者にとって最善・最適な治療をするため日々研鑽している。

著者紹介

連載歯科医院革命~大廃業時代の勝ち残り戦略

※本連載は、河野恭佑氏の著書『歯科医院革命』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

歯科医院革命 大廃業時代の勝ち残り戦略

歯科医院革命 大廃業時代の勝ち残り戦略

河野 恭佑

幻冬舎メディアコンサルティング

コンビニエンスストアを1万軒以上も上回る歯科診療所の施設数。 一方で少子化によって患者は年々減少し、過当競争が激化しています。 年間で1600軒もの施設が廃業し、「大廃業時代」といわれる歯科業界で生き残っていく…

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