「アポ帳をきれいに書き込む」と患者が増える…そのワケとは?【歯科院長が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省が実施している医療施設動態調査によると、2018年から2019年にかけて開業した歯科医院は1500施設ほど。その一方で廃止・休業した医院もまた1500施設ほどあり、全体の増減数をみると廃止・休業がやや上回っています。かつては「開業すれば何もしなくても儲かる」と言われていた歯科業界ですが、今では患者の奪い合いが激化しています。わずか5年間で25医院を開業した筆者は、一体どうやって患者を増やしたのでしょうか。

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「アポ帳をいかに埋めていくか」が患者を増やす第一歩

新しい医院ができると、皆で1日患者さん何人という目標を立てます。例えば1日の目標患者数を70人などと決めます。その数字の根拠は市場調査や競合調査にもよりますが、「このくらいは来てもらわないと」という戦略上の数字という側面もあります。

 

そのために、内部マーケティング(=接客態度、お客さまを迎える気持ち、心掛け、真心など、お金を掛けないマーケティングのこと)を展開するわけですが、ここでアポイントメント帳が大事な役割を果たすことになります。アポ帳をいかに活用するかという「技」も必要になるのです。

 

当初は手書きの帳面でした。帳面を示して、「ここを全部埋めよう」という話をします。どんなアポ帳を使うかはすごく大切な決定事項です。1時間に何人入るアポ帳かということです。4人なのか6人なのか。私は6人を選びました。まずはハードルを下げて皆に成功体験を与えてやる気を出させるという方法もありますが、私は最初からハードルを上げました。それが1時間に6人入るアポ帳を選んだ理由です。

 

1時間に6人入れば、7時間で42人です。目いっぱいに増やせば、50人から60人入る。

 

そういうアポ帳を選んだわけです。極論すれば、もし1時間に最初から2枠しかないアポ帳だったら、すぐにいっぱいになってしまって、早くから達成感が出てしまいます。それでは成長がないと思います。

きれいに記入すれば「集患すべき日時」が一目瞭然

その帳面の枠に、きれいに、丁寧に予約を書き込んでいきます。きれいであれば、パッと見でも患者さんが増えているかどうかが分かります。どの時間帯は混んでいて、どの時間帯は空いているのかも分かります。全員でその帳面を毎日見ながら「ここが空いている」ことを確認します。つまりは「ここを増やさないといけない」という話をして、目標としてこの曜日、この時間帯を埋めていこうという号令を掛けます。

 

もちろん、アポ自体は患者さん個々の都合にもよるので、無理強いはできませんが、少し、こちらの事情を分かったうえで、受付がマネジメントするというか、有り体にいえば「誘導」するわけです。

 

最初の頃のアポ帳を見返してみると、日によっては3人しか患者さんがいない。なんとか埋めていって15人になってもまだ空きが目立つ。そんなふうに視認できると皆の心が一つになるものです。

 

結果、3ヵ月も経つとだいぶ埋まるようになりました。それでもパッと見ても、例えば土曜日のこの時間帯が少ないというようなことが分かります。では、この時間帯はなぜ埋まらないのかを皆で検討します。例えば4時は3人入っているけど、4時半はゼロ。3時は2人入っているけど、3時半はゼロという場合もありました。30分忙しくても、次の30分、空いてしまうわけです。

 

空いた時間を埋める方法は、患者さんをいかに、その時間に誘導できるかが重要になります。それが分かるとスムーズに埋めていくことができるようになります。

 

もちろん、これだけでは総体としての患者数は増えないのですが、まずはその意識をもつことが重要なのです。にぎわいを演出できると、患者さんがご家族や友人など、次の患者さんを連れてきてくれる確率が高まります。

アポ帳を見返して集患状況を分析することが大事

1年経った段階での年末のアポ帳を見ると、午前中はパンパンに入っていました。ところが、午後はそこまで強くない。特に午後4時から6時が埋まっていない。ここは小学校が終わったあとにお母さんがお子さんを連れてくる時間帯です。そこが弱い。そんなふうに、自院の強い部分、弱い部分がはっきりしてきました。実は、その時間帯が埋まらない歯科医院は弱い歯科医院なのです。

 

逆に、子どもが多い歯科医院はいちばん患者さんを呼び込みやすい医院です。前述したように、子どものあとには両親が、そのあとには祖父母がやってくる確率が高いからです。だから、子どもの勧誘には力を入れないといけません。

 

そうした認識はブログや外に出す看板に何を書くかにも当然、影響していきます。

 

最初の医院は、そもそも子どもの患者さんがゼロの医院だったので、この部分がいちばん苦労し、2年掛かりました。

 

なんとか2年後には子どもの患者さんも増え、全体の患者数が70人くらいになって、目標を達成しました。

「ドタキャンした患者」も一目でわかるように記入

もう一つ、アポ帳に記載していることがあります。それは、色別で、予約どおり来院されたか、電話でキャンセルが入ったか、連絡なしで来なかったかという印です。アポ帳を使っている医院は少なくないのですが、見せてもらうと、誰がいつ来るか分かればいいということなのか、乱筆な場合が多いのです。それでは視認性が低いので、しっかりと定規を使ってきれいに書くことを徹底してきました。

 

今では、アポ帳は卒業してコンピュータの予約システムを活用していますが、見るべき点は同じです。

 

 

河野 恭佑

医療法人社団佑健会 理事長

株式会社デンタス 代表取締役社長

 

 

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医療法人社団佑健会 理事長
株式会社デンタス 代表取締役社長 

2009年に東京歯科大学卒業、東京歯科大学千葉病院に勤務。

現在までに25医院を開業し、分院展開。

専門医、技工士、歯科衛生士、スタッフと連携を取るチーム医療を強みとし、患者にとって最善・最適な治療をするため日々研鑽している。

著者紹介

連載歯科医院革命~大廃業時代の勝ち残り戦略

※本連載は、河野恭佑氏の著書『歯科医院革命』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

歯科医院革命 大廃業時代の勝ち残り戦略

歯科医院革命 大廃業時代の勝ち残り戦略

河野 恭佑

幻冬舎メディアコンサルティング

コンビニエンスストアを1万軒以上も上回る歯科診療所の施設数。 一方で少子化によって患者は年々減少し、過当競争が激化しています。 年間で1600軒もの施設が廃業し、「大廃業時代」といわれる歯科業界で生き残っていく…

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