高額所得者のほうが老後破綻に陥る理由
もっとアブナイのは高額所得者?!
じつは老後破綻は、資産の多寡とは直結しません。
意外なことに、高額所得者のほうが老後破綻に陥りやすいのです。現役時代と老後生活のギャップが大きいほどリスクは高まります。
たとえば、現役時代に1000万円を超える年収を得ていて、年金額は300万円、貯蓄も5000万円あったとします。これほど潤沢な資産があれば、普通は安泰な老後を送れます。
しかし、収入が多い人は生活も派手なまま続ける傾向があります。そして、生活レベルはなかなか落とせないものなのです。
現役時代と同じように年間800万円を使う暮らしを続けたら、年金との差額はマイナス500万円。赤字分を蓄えから取りくずしていけば、10年で貯蓄はゼロになります。あとは300万円で暮らすしかありません。このギャップが埋められず、破綻の道を突き進んでしまうわけです。
なお、生活レベルを落とせない心理は、なにも高額所得者にかぎらず、どなたにも当てはまる話ですので、覚えておいてください。
長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
AFP
日本年金学会会員