老後資金を株式や投資信託につぎ込むな
■経験もないのに「投資」してはいけない
老後生活を少しでも豊かにしたいと願うのは当然です。そこで、退職金と貯めてきた老後資金を運用しようと思いたつ人がいます。
もちろん、老後資金を運用するのは悪いことではありませんし、運用すべきだと考えています。しかし、それはいままで運用経験がある人にかぎった話です。
まとまったお金ができたからといって、経験のない人がいきなり運用を始めるのは、やめたほうが無難です。
前者は成功や失敗を繰り返し、いわば実戦経験を積んできた人です。筆者も最初のころはよく運用に失敗し、損を出しました。損を出すことも経験のひとつなのです。
ところが、これから年金暮らしに向かおうとする人が失敗したら、取り返しのつかないことになりかねません。株式や投資信託に老後資金の大半をつぎ込んでしまうのは、リスクが大きいといえます。
もっとも、老後資金の一部を運用して、投資経験を積むことは賛成です。
人生100年時代に対応した有利な商品に移し替える手法なら、いちばん安全だといえます。
■老後資金が消えてしまうかも…
●マンション投資
マンションのオーナーにならないかという誘いもあります。投資用マンションも、やはりリスクが大きいのです。
「家賃収入で豊かな老後」といったフレーズは魅力的に聞こえますが、確実に家賃収入が保証されているわけではありません。
空室になれば家賃は入りませんし、修繕費もかかります。
経験がないまま老後資金をつぎ込むのは、リスクが高すぎます。