(※写真はイメージです/PIXTA)

「人生100年時代」といわれています。定年後の避けては通れない課題は「お金」で、3000万円不足するなどといわれていますが、実際のところはピンとこない人も多いことでしょう。この大問題をどう解決すればいいのでしょうか。定年退職したサラリーマンも活用できる付加年金、国民年金基金などの活用法をお届けします。本連載は長尾義弘著『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「銀行は信用できる」という考え方は「甘すぎ」

あなたの老後資金は狙われている


 
60代は退職金や確定拠出年金の受け取り金、養老保険の満期金など、一時的にまとまったお金ができる時期です。あなたの将来を左右する大切な老後資金ですから、くれぐれもあつかい方には注意しなければなりません。

 

「そんなことは、いわれなくてもわかっている」と思うでしょうが、油断は禁物。あなたのまわりにはたくさんの危険が潜んでいるのです。

 

あなたの銀行口座に退職金が振り込まれると、それを待ち望んでいた人からきっと連絡がきます。それは銀行です。

 

60代は退職金や確定拠出年金の受け取り金、養老保険の満期金など、一時的にまとまったお金ができる時期です。(※画像はイメージです/PIXTA)
60代は退職金や確定拠出年金の受け取り金、養老保険の満期金など、一時的にまとまったお金ができる時期です。(※画像はイメージです/PIXTA)

 

銀行には、あなたの資産データが筒抜けです。普通口座の残高、定期預金の残高はもとより、住所や連絡先もバッチリ押さえています。

 

「いやいや、銀行は信用できるでしょう」という考え方は甘すぎます。

 

低金利の現在、銀行の本業である企業相手にお金を貸し出すだけでは儲かりません。そのため、個人をターゲットにして、手数料が高い投資信託や生命保険を売って、収益を上げているのです。

 

退職金が入ったあと、「資産運用をしませんか」「保険に入りませんか」といった営業の電話がかかってきたことはありませんか。ここで銀行にのこのこと相談にいく顧客は、銀行にとってはネギを背負ってきたカモも同然です。

 

印鑑を持参して来店をすすめられることもあります。相談にいったその場で契約させてしまおうという魂胆ですので、ゆめゆめ気をつけねばなりません。

 

じつは筆者も、銀行から営業の電話を受けた経験が何度かあります。

 

筆者の場合は自営業なので、退職金はありません。しかし、たまたまワンルームマンションへの投資をしていて、物件を売却したことがあります。そのときに、まとまった現金が銀行口座に振り込まれたのです。

 

翌週、銀行から電話がありました。銀行に預金残高が筒抜けなのは知っていましたが、あまりにも素早い反応に、ちょっと驚きました。

 

「まとまったご資金の運用先などはお決まりでしょうか。ご相談に乗りますので、ぜひご来店いただけませんか」とのこと。どんな金融商品を提案されるのか、偵察を兼ねて出向いてみました。

 

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老後資金は貯めるな!

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