「人生100年時代」といわれています。定年後の避けては通れない課題は「お金」で、3000万円不足するなどといわれていますが、実際のところはピンとこない人も多いことでしょう。この大問題をどう解決すればいいのでしょうか。この「リスク」をうまくクリアできれば、第二の人生をバラ色にすることがきるはず…。本連載は長尾義弘著『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

2000万円の老後資金があれば30年間安泰

◆50代にやってくる役職定年


 
50代の試練は、これだけではありません。


 
55歳あたりになると「役職定年」が待っています。それまでついていた「肩書き」がなくなり、給与も2~3割減ってしまいます。

 

長年勤めてきて最後にハシゴを外されたような気分にもなりますが、これは企業の人口ピラミッドがいびつになっているためです。

 

1989~92年に入社したバブル世代は、社員人数が最も多くなっています。その後、1995~2003年前後までが就職氷河期と呼ばれた時代で、社員人口はぐっと少なくなります。

 

役職定年は、このバブル世代をターゲットにしています。役職のポストは限られていますし、なにより会社にとっては人件費の負担が大きいからです。

 

そんな状態で、60歳の定年を迎えます。65歳まで再雇用が可能であっても、大半の企業では給料が半減するはずです。

 

老後の生活費を準備することができないまま、年金生活へ突入するケースもあります。

 

待っているのは"わびしい"老後?

 

50代は試練の連続で「次なるステップを考える余裕なんてとても」といいたくなる気持ちはわかります。

 

たしかに50代というのは意外と収入が伸びなくて、支出の多さに呻吟するかもしれません。老後資金の準備ができればいいのですが、難しい状況ではあります。

 

しかし、なんの対策もしなかったら、その後はどうなるでしょう。

 

総務省の「家計調査」では、毎月5万5000円の赤字が出ています。年間で66万円になります。仮に2000万円の老後資金があると、単純計算で約30年もちます。ただ、65歳にリタイアすると30年後の95歳には貯金がゼロになってしまいます。

 

2000万円貯めることができないと、かなり厳しい現実に直面してしまうことになるのです。

 

なんの手だてもなく、老後生活に入っていくと老後破綻が待っているかもしれません。50代で老後資金を貯めるのが難しかった人でも、60歳から老後資金に備える方法があります。それは別項で詳しくお教えします。

 

次ページ高額所得者のほうが老後破綻に陥る理由
老後資金は貯めるな!

老後資金は貯めるな!

長尾 義弘

河出書房新社

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