前回は、不動産投資における「借地権物件」のデメリットについて説明しました。今回は、投資用の物件を北側道路に面した場所に建てるべき理由を見ていきます。

北側道路に面した場所なら「容積率」を高くできる

これは余談になるかもしれませんが、土地を効率よく使うために、投資用の物件は北側道路に面した場所に建てることが、“常識”となっています。

 

その理由は、いわゆる「高度地区」における「斜線制限」や「日影規制」の制限に関係しています。高度地区とは、市街地の環境を維持するため、または土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度または最低限度を定めた地区のことです。

 

この高度地区では、主として北側隣地の日照保護や通風確保を目的として、北側隣地境界線からの距離に応じて建物の高さの限度が定められることがあります。したがって、北側に土地がある場合には、この規制のために、建物の高さが制限され、結果的に容積率が低くなります。

 

一方、土地が道路の南側にあれば(土地の北側に道路があれば)、そのような制限を免れることになるので、それだけ容積率が高くなり、狭い土地でも十分に収益のあがる物件が建てられることになるのです。

 

実際、東京にある国道246号線や甲州街道など、東西に走る幹線道路の両脇を眺めてみると、道路の北側には4~5階の建物しか建っていないのに、南側には8~10階の建物が建っていることに気づくはずです。

 

騒音、日当たりの問題も工夫次第で解決できる

このように、北側に道路のある土地は、まさにお宝物件といえ、「収益物件は『北側道路』に建てろ」という言葉があるほどです。通常の一戸建てなどでは、南側が道路になっているものが好まれますが、不動産投資ではむしろ逆なのです。

 

幹線道路沿いの物件は、騒音が心配という人もいるかもしれませんが、道路に面する北側に廊下や共用階段を設置することで、騒音の問題は相当緩和されます。

 

また、道路の反対側で、かつ日当たりのよい南側に居室やバルコニーを設けることにより、十分に快適な居住空間を確保することが可能となるでしょう。

 

本連載は、2013年9月20日刊行の書籍『不動産投資は女性が選ぶ新築RCマンションで始めなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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