証券会社のアナリストらが個別の銘柄を分析したり、企業調査をして格付けを行うレーディング。投資判断として重視している人も多いでしょうが、どれほど信用していいものなのでしょうか。考えていきましょう。※本連載では、AI技術を用いた株価予測ソフトを開発する、株式会社ソーシャルインベストメントでトレーダーとして活躍する川合一啓氏が、個人投資家が株式市場で勝ち続けていくための極意について説明していきます。

株式のレーティングの評価は、会社によってまちまち

株式を購入する時、あるいは売却をする時に、多くの人は、その銘柄を今購入したほうが良いのか、タイミングを考えることがあるでしょう。取引をする際に、その会社の決算情報などを参考に、そこから将来性などを見越して検討していきます。

 

しかし、実際、株価がどこまで値上がりするのか、そして今買いのタイミングなのか売りのタイミングなのかを探るのは、なかなか自分だけでは判断がつきにくい場合があります。

 

そんな時に、投資家が判断材料としているのが、レーティングです。レーティングが発表されることで、株価が動いたりすることもあり、投資家にとっては気になる存在のひとつでしょう。そんなレーティングの評価はどこまで信用したら良いのでしょうか?

 

株式のレーティングは、証券会社の調査部門にいるアナリストがレーティング対象の会社を分析、調べて、評価をしています。証券会社にもよりますが、アナリストは、それぞれ調査する分野を持っています。たとえば、車関係の調査部門だと車関連の企業に訪問に行ったりして、実際に会社の担当者にあって話を聞いたりすることもあります。そして、過去の決算資料から今季の業績予想をたて、そこから株価にどのくらい影響するのかを調べます。

 

レーティングは、会社によって様々な数値や言葉で表されており、統一されていません。そのため、レーティングの表示だけでは、何を意味しているのかわからないことがあるかもしれません。

 

一般的に多く表現されているの表現方法としては「買い/バイ」「ホールド(持ち続ける)/ Neutral」「売り/セル」などがあります。また、「アウトパフォーム」や「オーバーウェイト」、「強気」「弱気」など表現で示されることもあります。予想株価などの数値やターゲットプライスといって具体的に予想株価数値を表出していることもあります。

 

少し例をあげてもこれだけ評価の表示が分かれています。それほど、レーティングの評価の表現方法は様々で多種多様に渡っています。

株式のレーティング…発表後は株価の変動も

会社によって、レーティングの評価の方法や表現がバラバラなため、良いレーティングが発表されたり、それが影響のあるアナリストの評価であったりすると期待から買いが入って、株価が動く場合があります。

 

しかし、一時的に上がったり下がったり、株価の方向が定まらないなかで、一時の加熱感で売買を行うと、高く買いすぎたり、安く売ってしまって後悔する可能性もあるので注意が必要です。

 

レーティングの発表で、一時的に取引に加熱感が出ている場合は、すぐに株価の加熱感が、収束する可能性も高いです。レーティングは、あくまで予想であって可能性なので、レーティングの評価だけで相場に加熱感が出ている場合は、冷静な判断が必要です。

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