選挙に参加の大切さを実感したエピソード
初めて参加した選挙で実感した一票の重さ
私自身は、20歳のときに初めて投票を行いましたが、それは里長(日本でいえば町内会長のようなもの。台湾における最小行政単位)選挙でした。その日、私は仕事の予定があったのですが、戸籍がある木柵という場所に戻って投票したので、仕事に行くことができませんでした。
しかし、投票が終わって開票が行われると、なんと私が一票を投じた候補者が一票差で当選したのです。まさかこんなことがあるのかと信じられない気分でした。本当に一票差だったのです。もし私が投票していなければ、台湾の法律では当選者をくじ引きで決めることになっていたはずです。
そのときの体験により、私は選挙に参加することの大切さを改めて実感しました。台湾の若者は最終的に総統選挙に一票を投じることになりますが、最初は里長選挙や他の選挙で投票というものの意味を感じるのも、とてもよいことだと思います。あるいは大学で、学生会の代表を選んだりもするでしょう。もう少し若い年齢であれば、高校や中学の生徒会役員を選んだりするでしょう。
そういう行動を通じて、投票という行為を習慣にしてほしいと思うのです。これは台湾の若者に限った話ではありません。日本の若者のみなさんにも、ぜひ選挙に積極的に参加してほしいと願っています。
「投票したい候補者がいない」場合もあるかもしれません。だからといって、「政治を変えるのは難しいことだ」と考えるべきではありません。たとえば、「起業したい」というのであれば、それは公益に参加することと同じ道理です。「起業したい」と言うのは「社会を変えたい」と言っているのと同じことなのです。
「政治に参加して社会をより良いものに変えていこう」とする意識は、政治の側も国民の側も相互に強化されていくべきことだと思います。