多くの家庭で、親の「老い」はいずれ直面する問題です。ファイナンシャルプランナー・安田まゆみ氏の『そろそろ親とお金の話をしてください 』(ポプラ新書)より年をとった親が出す、認知症のサインについて解説していきます。

親からのSOS見落とさないために知っておきたいこと

それまで母親は、2人にとってはいつも元気そのものの存在でした。よく食べ、よく笑い、社交的で友達も多く、楽しく暮らしていると思っていたので、時々電話をしては、ご機嫌伺いをする程度で、実家には年に一度くらいしか帰っていませんでした。

 

昨年の正月に実家に帰った時に、母親がなんとなく元気がなかったので、「おや、さすがのお母さんもお歳?」と冗談めかして言うと、「風邪がなかなか抜けないみたいなのよ」という返事。「大事にしてよ」と声をかけたものの、さほど気に留めずにいたところ、それから1か月もしないうちに母親は倒れてしまったのです。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

Fさんは、なんとなく覇気のない母親の様子や、家の中がどこか乱雑になっていることにも気づいてはいました。でも「風邪がなかなか抜けない」と母親が言ったことで、「ああ、そうなのか」と納得してしまい、「風邪さえ治れば、またいつもどおりになるだろう」とそれ以上は気にしなかったのだそうです。

 

小さなことでも体のSOSに目を向けて、きちんとした対応をしておけばこんなことにはならなかったのに……と、とても悔やんでいました。

 

親がいつまでも元気でいるとは限りません。暮らしぶりのチェックポイントを一覧にまとめたので[図表]、こちらを参考に親の状況を把握してください。

 

[図表]実家の住環境や暮らしぶりのチェック
[図表]実家の住環境や暮らしぶりのチェック

 

鍋がいくつも焦げた状態になっていないかなどの項目は、認知症の兆しがないかを確認するためです。物が散らかっているなど、家の中の乱雑さについても注意深く見ていきます。

 

健康状態については、病院に定期的に行っているようなら、どういう理由で通院しているのか、確認しておきましょう。内科なら血圧が高いのかもしれないし、眼科は白内障が進んでいるのかもしれません。歯科への通院は歯周病や入れ歯の不具合、整形外科は腰や膝が痛いからという可能性があります。

 

とくにこれといった症状がなくても、歩行状態を観察してみると気づくこともあるかもしれません。

 

元気にすたすたと歩いているか、ガニ股になっているのは膝に痛みを抱えているせいではないか、小刻みに歩いたり、よくつまずくのは足がしっかり上がっていないからかも……など、親の様子を見るだけで気になることが出てきます。

 

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