わが子が幸せになるためには、自立と自律を兼ね備えることが大事……幼稚園の園長として1万組の親子を見てきた、学校法人山崎学園の理事長・山﨑拓史氏が、子育てで大切な子どもに考えさせる方法について解説します。

自然と触れ合って、自分で考えることができるように

② キャンプごっこを経て、本当のキャンプへ出発

 

キャンプは子どもの探求心を育てるすばらしいレジャーの一つです。しかし、最近は「手ぶらでキャンプ」「冬は暖かく、夏は涼しい設備」など、至れり尽くせりのキャンプ場がたくさん登場しているようです。

 

親にとってはラクではありますが、探求心を育てるためには至れり尽くせりはかえって邪魔。平らな場所を見つけ、力を合わせてテントを設営する。冷たい水で野菜を洗い、ナイフを使い、料理をする。薪になる枝を拾い、焚火をする。真っ暗な中で、星や月の光を楽しむ。普段はできない体験が、新たな好奇心を生むきっかけになるのです。

 

ただし、いきなりキャンプに連れて行っても、「テントなんて面倒くさい」「冷たい水はいや」「寝袋で寝たくない」といった発言をするかもしれません。わがままに聞こえますが、子どもからすれば普段の快適な生活とかけ離れたことを突然させられて不満に思うのも当然です。

 

そこで「満たされないことが楽しい」「いつもと違うことはワクワクする」という体験を、キャンプデビューする前にさせておくのがポイントです。

 

例えば「キャンプごっこ」と称して、家の中にテントを設営して、寝袋で寝かせてみるのです。キャンプ用のガスバーナーでお湯を沸かしたり、部屋の照明は消し、ランタンの明かりだけで夕飯を食べるのもワクワクします。父親がレンジャー部隊のようなコスプレをして、気分を盛り上げるのも楽しそうです。

 

「寝袋ってあったかいなぁ」「テントの中って秘密基地みたいだね」と、親同士が会話をすると、子どもも「楽しいこと」を具体的な言葉としてイメージできるようになり、次の探求心につながっていきます。

 

自宅の庭でシミュレーションキャンプをしたという父子の話を聞いたことがありますが、「ママは、何もお手伝いしないでね」と子どもが宣言して、父と子でサンドイッチをつくりバーナーでお湯を沸かし楽しそうにしていたそうです。

 

夜、寒かったので母親は心配したそうですが、子どもは自分のぬいぐるみを寝袋の中に押し込み「一緒だとあったかいね」と言いながら眠りについたそうです。楽しさの中の不便さが、子どもなりの工夫を生んだのです。

 

こうしたシミュレーションを何度かしたうえで、キャンプ場の写真や映像を観せて、「実際に行ってみよう!」と気分を盛り上げてから出かけると、キャンプ場で生き生きした子どもの姿を見ることができるでしょう。

 

 

山﨑 拓史

学校法人山崎学園理事長

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

■入所一時金が1000万円を超える…「介護破産」の闇を知る

 

■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走

 

わが子が幸せになるために必要な3つの力

わが子が幸せになるために必要な3つの力

山﨑 拓史

幻冬舎MC

探求力・計画力・実行力3つの力を育てれば人間関係も仕事もうまくいく大人になる! もっと子育てが楽しくなる育児本 我が子を初めて抱いたとき、親御さんは生まれてきてくれたことに、ただただ感動し、喜びを感じたはずで…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録